カタールW杯への出場権がかかったプレーオフの準決勝。イタリアのフォーメーションは4-3-3で、3トップはインシーニェ、インモービレ、ベラルディという並び。対する北マケドニアは4-1-4-1の形。
試合はホームのイタリアが圧倒的にボールを支配するのだが、北マケドニアはその点はっきりと割り切って、クロスは与えても中を固めてシュートを撃たせない狙いが見える。
前半30分には、北マケドニアGKディミトリエフスキがパスした相手が何とベラルディ、しかしシュートは威力が無くてディミトリエフスキが追いつき、イタリアは千載一遇の好機をものに出来ない。
そこまで圧倒的にイタリアが攻め込んでいたのだが、前半のロスタイムに北マケドニアがカウンターから初めてのシュート、やや緩んだ空気が支配していた試合にピリッと緊張感が走る。
後半になると、イタリアはより高い位置からプレスを仕掛けつつ、北マケドニアのアンカーの両脇に出来るスペースを使う意識が見られうようになるが、北マケドニアもアンカーのジョルジーニョに対しバルディがマークに付いてビルドアップを阻害するなど、戦術的な動きが見える。
8分過ぎには、前半に無かったミドルシュートがイタリアに生まれると、12分にはPA右からベラルディが決定的なシュート、しかしゴール右に外れる。27分にはCKからマンチーニがヘディングも相手に競られて上手くヒットせず。
イタリアは19分にラスパドーリ、32分にペッレグリーニ、トナーリを投入してゼロトップの戦術に変更するが、むしろ良い形が見られなくなってスタジアムにはブーイングが流れる。39分にはエメルソンがデュエルを突破してペッレグリーニがPA内でフリーになるが、シュートは右に外れてしまう。
イタリアは後半44分にジョアン・ペドロとキエッリーニを投入するが、試合の状況は変わらず。このまま延長戦になるかと思われた後半ロスタイム2分、GKからのフィードを拾ったトライコフスキがそのままミドル、これがドンナルンマも届かないゴール左隅に決まるゴラッソとなって、何と北マケドニアが先制する。
その後も北マケドニアは足を一切止めずにイタリアのパワープレイに食らいつき、6分にはロレンツィの折返しにジョアン・ペドロが合わせるも枠外で。そのまま0-1で試合終了。ユーロ2020で優勝したイタリアは、W杯は前回大会に引き続きまさかの予選敗退に終わってしまった。
結局シュート数は32対4、枠内が5対2、ボール支配率は66対34、CKの数は16対0という圧倒的なスタッツなのに、どうにも決定力に欠けて0-1の敗退。まるで日本対カタールの試合を見ているようで、イタリアには申し訳ないがとても親近感が湧いてしまう試合だったね(笑)。
これでプレーオフの決勝は、北マケドニア対ポルトガルというカードになった。ポルトガルは好調そうなだけに番狂わせは連続しそうにないが、この固い守備に苦労する事は確かだろう。