なんと14人もの選手が新型コロナウイルスに感染してしまったデュッセルドルフは、U-23チームに所属する21歳の内野を急遽左SBで起用する苦しい布陣。フォーメーションは4-2-3-1で田中碧がボランチ、アベルカンプ真太がトップ下で先発、日本人3人がスタメンに並んだ。
試合が始まると、意外にも若いデュッセルドルフがボールを保持する展開。前半12分に田中碧が後ろ向きになったところでボールロスト、相手のスルーパスを内野が追いついてクリアするナイスカバー。17分にも田中碧はボールに出しどころに迷ってボールロストと、上手く試合に入れていない。
前半27分には相手のハーフカウンターからカットインした選手を田中碧が倒してFK、34分にもゴール正面から強烈なFKを浴びるがデュッセルドルフGKカステンマイヤーが片手でナイスセーブと、このあたりからペースはパダーボルンのほうに傾く。
すると38分にデュッセルドルフのPA内でDFが繋ごうとしたボールがミスになって相手に渡り、それを倒してしまいPK。しかしパダーボルンのキックはゴール正面で、カステンマイヤーが横っ飛びしながら足に当てるスーパーセーブで得点を許さない。
そして前半43分、デュッセルドルフはCKから折り返したボールをシュート、一度はパダーボルンのGKフートに止められたが、こぼれ球をハルトヘルツが押し込みアウェイのデュッセルドルフが先制する。
後半はパダーボルンがプレスの圧力を強め、田中碧はアンカーのような下がった位置でプレイする事が多くなり、しばらくは膠着状態の展開が続く。
18分には、内野がオーバーラップしたスペースを突かれてカウンター、GKと1対1の場面を作られるが、カステンマイヤーの鋭い飛び出しで体に当て、また決定機を防ぐ。逆に後半29分、デュッセルドルフがカウンターから3対1の場面を作るが、スルーパスからのシュートはGKフートが前に出てこちらもファインセーブ。
パダーボルンは後半35分ぐらいから猛攻を仕掛け、デュッセルドルフはアベルカンプ真太を下げて守備を固める采配。内野も足が攣ってピッチで倒れてしまうが、またすぐに復帰した。
40分にはアーリークロスからアデミが完全にDFラインを抜け出してフリーになるが、カステンマイヤーの素早いセービングで決定機を防ぐ。41分には田中碧が自陣で危険なボールロスト、カウンターで数的不利になるがこれも運良く失点ならず。
ところが後半ロスタイム、パダーボルンのFKからカステンマイヤーが弾いたこぼれ球をシャレンベルクに押し込まれ痛恨の同点。さらにパダーボルンが逆転と思われたが、競り合いで相手のファールと判定され命拾い。そしてそのまま1-1のドローで試合終了。デュッセルドルフとしては大健闘のアウェイドローではあるが、どうせなら勝ちたかったね。
田中碧は、インテンシティの高いゲームにちょっとついて行けなかったね。ボールを体でキープ出来ずに何度もボールロストをしてしまい、寄せも遅くて簡単にいなされてしまう。その意味では、まだいきなりデビューの内野のほうが試合に馴染んでいたぐらい。
つーか、内野はこのままトップチームに加わってもいいんじゃないかというぐらい良かったね。足は攣ったけど、スピードがあって激しい上下動を厭わないところはかつての長友を彷彿とさせる。これからに期待したい。