現在16位と降格圏が見えつつあるデュッセルドルフは、1週間前にプロイサー監督を解任、新しくティウネ監督が就任して初めてのホームゲーム。相手は昇格を争っているシャルケとの対戦。
デュッセルドルフのフォーメーションは4-2-3-1で、アベルカンプ真大が左SHで先発、前節に自身のボールロストから決勝点を招いてしまった田中碧はベンチスタート。シャルケは3-1-4-2の形で、板倉は3バックのセンターで先発。
新生デュッセルドルフのサッカーは、GKからパスでボールを繋ぎ、5レーンのトライアングルを作ってダイレクトパスでサイドを突破する現代サッカーの定石を踏まえたスタイルで、序盤からシャルケ相手にペースを握る。
対するシャルケは押されているというか、板倉は積極的にラインを上げようとしているのだが、両CBは板倉よりも低い位置にいる事が多く、イマイチラインが連動できていない。むしろ前半30分からは板倉がボランチの位置まで上がり、4バックのような形にシフトする。
前半38分、板倉が相手のポストに当たりに行くのかカバーで引くのか迷い、一気に決定的なシュートまで持っていかれてしまうが、相手のミスに助けられる。逆に43分、シャルケは一瞬のスキを突いてカウンター、最後は右に飛び出したサラザールのクロスをイドリジが押し込み先制する。
後半早々、デュッセルドルフは前からプレッシャーをかける姿勢を見せ、3分にはシャルケGKのキックを拾うと、縦パスに板倉が付ききれずワンタッチで裏に出され、カミンスキがカバーもナレイに振り切られ同点ゴール。
さらに後半11分、誰もマークしてなかったナライがバイタルで縦パスを受け、板倉が慌ててマークに行くがクロスをカット出来ず、中に飛び込んだヘニングスに押し込まれデュッセルドルフが逆転する。
後半28分に田中碧がボランチの位置に投入され、アンカーの位置でプレイ。その後はどちらも中盤にスペースが空いて攻め合う展開になり、チャンスの数は明らかに増えていたのだが、最後までスコアは動かず2-1で試合終了、4連敗中だったデュッセルドルフが勝利を挙げた。
デュッセルドルフは監督交代後の初試合だったが、短期間でここまで内容が大きく向上するとは驚いた。田中碧は短い時間での起用だったが、この戦術ベースであれば先発でも十分チームに貢献出来るのではないかと思う。
板倉は、右CBでの起用であればある程度マンマークと割り切ってプレイが出来ていたのだろうが、初めてCBの中央としてプレイしてみると、DFラインを統率するのか、対面の相手をマークして潰すのか、バランスを取ってカバーに入るのか、判断やポジショニングが結局定まらず終始プレイに迷いがあった。
おそらくCB間のコミュニケーションもあまり取れてないのだろう。板倉も吉田の立場になってみるとその苦労が実感できたに違いない。まず最初は失敗した格好の板倉中央起用だが、次節はどういう布陣で来るのか楽しみである。