「久保をあまり使わなかったくせに、徹底的に研究して抑え込んだエメリ監督」スペイン・リーガエスパニョーラ第22節 ビジャレアル-マジョルカ

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先日のコパ・デル・レイではベスト8に進出したマジョルカだが、リーグ戦では17位と残留圏ギリギリの位置に低迷。今節は久保の古巣であるビジャレアルとアウェイで対戦。マジョルカのフォーメーションは4-4-1-1で、久保は右SHで先発。対するビジャレアルは4-4-2の形でスタート。

ビジャレアルのエメリ監督が取った方策は明らかで、とにかく久保がいる右サイドを徹底的に攻める事で、久保をゴールから遠い位置に押し下げると同時に、守備力に不安があるSH久保とSBマフェオの弱点を突く事。

そのため、左SBのペドラサをオーバーラップさせるだけではなく、ボランチのバレホが右サイドに流れて高い位置に張るなど、徹底的に久保のサイドにボールを集める明白な狙いがある。

その効果が早くも前半12分に現れる。スローインからペドラサがリターンを受けてドリブル、久保の緩慢なマークとマフェオの曖昧なポジショニングを振り切ってクロス、ルッソが合わせて先制する。

そんな中でも、前半20分に久保は相手3人に囲まれながらもボールをキープしてクロス、アマトのヘッドはGK正面だったが、初めての決定機を演出する。その後もマジョルカは久保にボールを集めて攻撃を組み立てるが、ビジャレアルは徹底的に久保をマークして自由にプレイをさせない。

すると前半34分にマジョルカのセットプレイからのカウンターでペドラサが抜け出し、クロスをトリゲロスが決めてビジャレアルが先制点と同じような形で追加点。そして前半を2-0で終了する。

後半になると、マジョルカはマフェオが常時高い位置に張って、久保が中にポジションを取った形で攻撃を仕掛けようとするが、ビジャレアルとは違ってマフェオにあまりボールが入らず、アマトやアプドンも基点になれず、ギクシャクした組み立てになってしまう。

後半13分には久保が絡んでの組み立てから、交代で入ったフェルナンド・ニーニョが完全にフリーでヘディングをするも外してしまう。16分には右サイドから久保が仕掛けて最後はクロスも味方に合わず。18分には久保がドリブルで仕掛けて倒されるがノーファール。そして後半24分に久保が下がり、イガンインとセビージャが入る。

セビージャが入った事で縦パスは増えたものの、既に久保はベンチに下がっているため、その先からの展開が生まれない。38分にセビージャのスルーパスからアンヘルがシュートも決められず。

逆に後半40分にマジョルカのルッソがPKを与えて退場、ビジャレアルはパレホがダメ押しの3点目を決め、そのまま3-0で試合終了。選手のクォリティも戦略でもビジャレアルが上回った完敗だった。

久保については、古巣のエメリ監督に勝負のポイントとして完全にターゲットされて、狙い通りに先制点を奪われる失態を演じてしまった。あそこは何が何でも止めないと、サイドの選手としては失格である。プレイの状態は上向いているだけに、さらなる奮起を期待したい。

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