今大会2試合で11得点の阪南大と、今年のインターハイとプレミアリーグEASTを制した青森山田という3回戦の好カード。
フォーメーションはどちらも4-4-2とあって、ポジション的には完全なマッチアップ。しかも、どちらもボールを奪ったらとにかく前線へとボールを運んでセカンドボールを狙う、イングランドのダービーマッチのような激しい立ち上がり。
最初の決定機は阪南大で、14分に櫻井が切れ込んでのシュートを放つがわずかに枠をそれる。その直後に、青森山田が右からのクロスに松木が飛び込み、ヘディングが相手に当たってロビングシュートのような軌道でゴールに吸い込まれ、青森山田が先制する。
その後もボールへの集散と湘南への入団が決まっているエース鈴木章斗のキープ力で阪南大がペースを握るが、CKからのヘッドにゴールマウス内でクリアするなど、青森山田は守備の集中力が高く、ゴール前で決して相手をフリーにさせない。阪南大は40分に青森山田のクリアボールを石川がダイレクトでシュートもポストに当たる。
すると後半開始早々に、青森山田はCKの場面でファーから飛び込んだ丸山がニアでヘッド、これが逆サイドに上手く飛び込んで青森山田が追加点。さらに後半12分、センターサークルで青森山田がボールを奪うと、一気にショートカウンターからスルーパスに抜け出した名須川が決めて3点目。
阪南大は、後半19分にスローインからのこぼれ球に鈴木が素早く反応して足を投げ出し、ようやく1点を返す。32分にもPA内で競り合ったボールをミドルシュートするがバーの上。
しかし、こういう状況でも全く運動量が衰えないのが青森山田の強さ。後半4分のロスタイムでもカウンターから愚直に人数をかけた攻めを繰り出し、阪南大にモメンタムを与えない。そしてそのまま3-1で試合終了、青森山田がベスト8へと進出した。
阪南大は、攻撃については青森山田を上回るクォリティの高さを見せたが、少ないチャンスで要所にきっちり点を取る青森山田の勝負強さ、最後まで衰えない運動量と守備の献身性と、総合力で青森山田が貫禄勝ちしたというところか。
青森山田の次の対戦相手は同じ関西チームの東山。まずは青森山田が未だに与えていない先制点をゲットして、あえて攻めさせてカウンターを狙う形で王者を慌てさせたいところである。