この夏に、大迫、武藤、ボージャンと驚愕の移籍を実現したヴィッセル神戸。この試合では早速武藤がベンチ入り、サンペールが出場停止でアンカーに山口が入った3-1-4-2のフォーメーション。3連勝と好調の3位鹿島は、4-2-3-1の形でスタート。
前半は鹿島のペースで試合が始まる。鹿島のプレスに遭ってボール保持で劣勢の神戸は、何とかイニエスタから一発で打開しようという意図はあるのだが、前線とタイミングが合わずシュートまでなかなか持って行けない。
鹿島は前半18分に荒木が強烈なシュート、20分にも右サイドからダイレクトでの展開でエヴェラウドがシュートも神戸GK飯倉がどちらもファインセーブで得点を許さない。後半30分にようやく神戸はWBを基点にしてサイドから速い展開で初シュートを放つ。
そこからは鹿島の運動量が落ちて神戸がボールを支配すると、43分にはイニエスタがピトゥカを振り切ってドリブル、PA脇で倒されてFKをゲット。しかしイニエスタのキックはGK沖に阻まれる。
後半から神戸はJ1は6年ぶりとなる武藤を投入、3分には早速イニエスタから武藤の飛び出しにパスが渡り、ダイレクトでボレーもオフサイドの判定。武藤は攻撃の動き出しが早く、守備でも積極的にプレスをかけるなど、前線で一気に神戸の攻撃を活性化させる。
神戸にペースを握られた鹿島は、後半8分に上田を安西を投入して流れを変えにかかると、後半13分に和泉がパス交換からPA内に抜け出しGKと1対1でシュートもまた飯倉が正面で体に当てて止める。
後半20分ごろから中盤にスペースが生まれて間延びし、どちらもゴール前にボールを運んでシュートの場面が増える。そこから鹿島の流れになったかと思ったが、後半34分に左サイドのスペースに武藤が抜け出し、そこからのクロスにドゥグラスがニアで潰れて、奥に走っていた山口が押し込み神戸が先制点をゲット。
神戸は後半41分にドゥグラスを下げ、1トップに武藤、トップ下にイニエスタを配した4-4-1-1のフォーメーションに変更、その後もきっちりリードを守りきって1-0で試合終了。
相手にペースを握られながらも失点は許さず、一瞬のスキを突いて勝ち切るという試合運びは、鹿島の十八番のはずだったがそれを神戸のほうがやってしまった形だなと。鹿島は荒木がキレキレだったが、上田がまだ五輪から調子が上がってないのが痛い。
移籍して初出場でアシストの結果を出した武藤は、プレミアではフィジカル、スペインではテクニックが足りず、チーム戦術よりも個人の判断を優先しがちなために欧州では苦戦したが、Jリーグであれば動き出しやフィジカルは普通に別格。今後は対戦相手が戦々恐々とする存在になりそうだ。