「イングランドが、疲れ切ったドイツに55年ぶりの歴史的勝利」EURO2020 ベスト16 イングランド-ドイツ

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コロナなど知ったこっちゃないとばかりに、10万人収容のウェンブリー・スタジアムに4万人のサポーターを集めたイングランドとドイツのベスト16。

イングランドは3-4-2-1のフォーメーションで、前線はスターリング、ケイン、サカの並び。対するドイツも同じ4-3-2-1で、ボランチはクロースとゴレツカ、キミッヒは右WB、前線はミュラー、ヴェルナー、ハヴァーツという並びにして来た。

ミラーゲームを仕掛けてきたイングランドの狙いは明白で、完全マンマークでは無いが守備時にはドイツの攻撃に同数で当たり、数的優位を作らせない事にあった。その分、攻撃でなかなかビルドアップは出来ないが、ボールを奪ってからの速攻に狙いを定めている。

試合はドイツがボールを支配するも効果的な攻撃が出来ず、20分ごろにはイングランドがペースを握るなど、一進一退の攻防が続く。32分にはハヴァーツからのスルーパスにヴェルナーが抜け出しシュートもイングランドGKピックフォードがセーブする。

前半のロスタイムにも、ミュラーのバックパスを拾ったスターリングの突破からケインに繋がるも、フンメルスが必死で戻りドイツが何とか守りきって前半をスコアレスで折り返す。

後半、ドイツは自分たちの強みであるパスワークを押し出し、3分にクロスからハヴァーツが左足でハーフボレーもピックフォードがハンドオフで頭上にクリアする。が、その後は互いにマンマークでガツガツぶつかる潰し合いで試合は膠着状態に。

ここでドイツはヴェルナーに代えてニャブリ、サカに代えてグリーリッシュを投入する。すると後半30分に試合が動く。バイタルでパスを受けたスターリングが、リュディガーの甘いマークのスキを突いて反転ドリブル、ケインのポスト、グリーリッシュと繋いでショーのクロスをスターリングが押し込み先制。

直後にキミッヒの飛び出しがファールとなってドイツはPAすぐ外でFKを得るがミュラーのキックは壁に当たる。そして後半35分、ミュラーがカウンターから抜け出しGKと1対1になり、シュートはピックフォードの逆を突いたのだが、まさかのポスト左に外してしまう大チョンボ。ここが運命の分かれ道だった。

イングランドは後半40分、中盤でニャブリからボールを奪ってハーフカウンター、ショーのパスからグリーリッシュがクロス、中でフリーになっていたケインが決めて追加点。ここでもドイツはリュディガーの対応が遅かった。

ドイツはザネ、エムレ・ジャンを投入、フンメルスをトップに上げてパワープレイを仕掛けるが、ゴレツカのオーバーヘッドにハヴァーツが合わず、4分のロスタイムを守りきって2-0で試合終了、主要国際大会のノックアウトステージでイングランドがドイツに勝ったのは55年ぶりという、歴史的な勝利を飾った。

これで死のグループと呼ばれたグループFのチームはベスト16で全敗。スケジュールの不利に加え、グループリーグの激戦で消耗していたのも原因なのだろう。ともかくドイツはこれでレーブ監督が勇退、フリック新監督のもとで世代交代が行われるのは必至。最後まで自分たちのサッカーに殉じたスタイルがどう変化するのか注目される。

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