「絶対王者に課せられた3分43秒、アルプスで問われるチーム力」ツール・ド・フランス2021 第6・7ステージ

スポンサーリンク

前日の個人タイムトライアル明けの第6ステージは、トゥールからシャトールーまで、シュノンソー城を始めとする数々の美しいお城が並ぶロワール川流域を走る、ツール・ド・フランスでは毎年お馴染みの平坦な観光宣伝コース。

2人の逃げを吸収した後のゴールスプリントは、序盤のブルターニュステージとは打って変わった広く長い大通りで行われ、復活のカヴェンディッシュが2008年、2011年に続いてシャトールーで勝利するハットトリック。あのエディ・メルクスが持つツール・ド・フランスステージ最多勝記録34まであと2に迫る勝利となった。

そして第7ステージは、プチ「リエージュ~バストーニュ~リエージュ」と呼ぶべき249.1kmの今大会最長ステージ。後半に最大勾配18%の2級山岳シニアル・デュションを含むアップダウンが集まったコースだけに、逃げ屋が活躍する展開になるかと思われた。

案の定、スタートから激しくアタックが繰り広げられ、気がつけば29名の逃げ集団が生まれたのだが、そこに何とマイヨ・ジョーヌのファンデルプール、総合3位のファンアールト、マイヨヴェールのカヴェンディッシュまでが入ってしまった。

メイン集団では、ポガチャルのチームエミレーツが一応集団を引っ張るのだが、その差は6分以上に広がってしまう。ファンデルプールは東京五輪でのマウンテンバイク競技出場のために、途中でリタイアするのではないかと言われているため、そこまで必死で追ってなかったのかもしれないが・・・

そうこうしているうちに、先頭集団ではモホリッチがアタックで抜け出す一方、カヴェンディッシュが遅れるなど集団が分裂、ファンデルプールとファンアールトが2人で先頭を追うが差は縮まらない。そしてメイン集団ではカラパスがアタック、逆にログリッチはそこからもズルズル遅れてしまう。

結局モホリッチは最後まで逃げ切りステージ優勝、ファンデルプールとファンアールトは1分40票の差でゴール、カラパスは結局メイン集団に吸収されたがポガチャルを含めトップから5分15秒差でのゴールとなった。一方、ログリッチは9分差となって優勝争いからは完全に脱落。

これで総合ではファンデルプールがマイヨ・ジョーヌを守り、ファンアールトが30秒差、ポガチャルは3分43秒差の5位に後退した。明日からはアルプスの山岳2連戦で、ポガチャルの優位は大きく変わらないが、果たしてどれだけ差を詰められるのか。チーム力が問われる連戦になるだろう。

 

タイトルとURLをコピーしました