川崎がリーグ戦と天皇杯の2冠を達成したために、レギュレーションとして対戦相手がリーグ2位のガンバになった今年のゼロックス・スーパーカップ。
昨シーズンは不動のアンカーだった守田がサンタクララへと移籍し、新加入のジョアン・シミッチが代役となった川崎。1トップがレアンドロ・ダミアンで、シャドーが家長と三苫、インサイドハーフが田中碧と脇坂の4-3-3。対するガンバも昨期には無かった4-3-3のフォーメーションで臨んで来た。
立ち上がりがガンバが攻勢に出るも、川崎はカウンターから三苫が2本の惜しいシュートを放つなど抜け目の無さを発揮するが、ガンバGK東口のナイスセーブもあってきっちりピンチを防ぐ。
前半10分を過ぎると、川崎がボールを保持してガンバが守ってカウンターを狙う展開になったかと思いきや、ガンバもしっかりボールを回してペースを取り返す一進一退の流れになるが、先制したのは川崎。
前半29分に左サイドでボールを受けた田中碧がマークに付いた小野瀬を弾き飛ばし、インナーラップした三苫にスルーパスを送ると、三苫がこれをダイレクトで叩き込むと、その直後にも左サイドでの崩しからクロスを放つと、逆サイドの山根がこぼれ球に反応してシュート、ゴール前にいた三苫が反応して押し込んでしまう。
このゴールはVARでオフサイドに当たるか検証されたが、結局そのままゴールが認められて前半のうちに三苫がドッピエッタで川崎が2点目。前半の残り時間もガンバのビルドアップは川崎のプレスに遭って機能せず、これで試合はこのまま先シーズンのように川崎が圧勝して終わるかと思われた。
しかし後半は引き続き川崎のペースで始まったものの、10分を過ぎると川崎のプレスが弱まって、ガンバは両SBが高い位置を取れるようになり、後半15分に小野瀬のクロスから混戦になって最後は矢島が押し込み1点差。
さらに後半22分、川崎がPA内からサイドに出したボールを山根が腕に当てたという判定でPK、これをパトリックがきっちり決めてとうとう同点。さらにチアゴ・アウベス、レアンドロ・ペレイラを投入して4-4-2も変更、一気に勝負をつけにかかるガンバ。
早速チアゴ・アウベスがサイドを抜け出してGKと1対1になるもチョン・ソンリョンに防がれ、直後にハンドにはなったが藤春のシュートとガンバのペースに傾く。が、川崎はここで長谷川と小林悠を投入、チアゴ・アウベスが上がったままでスペースが出来た左サイドにボールを集めてリズムを取り戻す。
後半ロスタイムに川崎のCKから谷口がドンピシャヘッドを東口がスーパーセーブ、これはこのままPK戦になるかと思われたが、ロスタイム6分に田中碧のスルーパスに抜け出した小林がきっちり流し込んで勝ち越し、そして試合終了。
川崎は守田が抜けてどうなるかと思ったが、選手交代で抜け目なくガンバの戦術的な穴を突ける、さすがの選手層で点差以上にガンバとの力の差を見せた印象。ガンバはまだチームが噛み合ってないが、後半の助っ人トリオが並んだ前線はかなりの迫力で、今後の熟成が楽しみである。