現在連勝中のマルセイユは、降格圏の19位に沈んでいるストラスブールとアウェイで対戦。ストラスブールのフォーメーションは4-4-2で、川島はベンチスタート。対するマルセイユは酒井宏樹が累積警告で出場停止、代わりに長友が右SBに入った。
マルセイユのフォーメーションは、4-3-3がスタンダードとなって久しいが、この試合は何故か普段は右ウイングのトヴァンが左のFW、右にはジェルマンが並び、トップ下にはキュイザンスが入る4-3-1-2という珍しい布陣でのスタートとなった。
前半のペースは完全にストラスブールが握る。3ラインのコンパクトなゾーンを上げ下げしつつ、マルセイユの選手が自陣に入ったらあっという間にプレスをかけられ、前線の3人が前を向いてプレイさせてもらえるスペースや時間が全く与えてもらえない。
後ろのビルドアップも、長友がボールを持っても出しどころがなく、時々ジェルマンらにフィードを付けるシーンはあったが、ボールを縦に受けてもあっという間に周りを囲まれるので、そこから先の展開は皆無状態。
コンパクトな4-4-2に対しては、ワイドから攻めるのが王道の攻略法なのだが、何故かマルセイユは2トップ+トップ下が幅を取らずに真ん中に集中、長友は上がる気満々なのだが、フォローもスペースメイクも無しでは動くわけにもいかず、マルセイユの攻撃は完全に停滞したまま前半終了。
後半になると、ストラスブールが左サイドを中心に攻め立て、長友は落ち着いた対応で対処、と思ったらトヴァンがキープしたのを見てオーバーラップしたら、結局トヴァンがロストしてしまってコンビネーションが噛み合わない。
とうとう試合が動いたのは後半26分、途中で入ったパイェがPAの左端をドリブルで切れ込み、PKをもらおうとして倒れて奪われたのだが、パイェは倒れたままキックしてクロス、ベネデットが落としたボールをサンソンがダイレクトで決めて、マルセイユが最初のシュートで得点する。
その後はストラスブールが猛攻を仕掛けるが、前がかりになって後ろにスペースが出来た分、長友がオーバーラップする場面も見られるようになり、ストラスブールがボールを支配する構図は変わらないものの、試合展開は拮抗した流れになる。
ストラスブールはロスタイムにシャヒリが浮いたボールを拾って切れ込みシュートも枠外、直後にケビン・ソヒが右サイドからPA内にドリブルを仕掛け、倒されるがPKは取ってもらえず。そのまま1-0で試合終了。マルセイユは厳しい試合を何とかものにして3連勝を飾った。
まあ内容的にはマルセイユの負けも同然だったのだが、こんな試合で勝点を取れないのがストラスブールが下位に沈んでいる理由なのかもしれない。長友はほとんど攻撃参加する事無く、もっぱら守備専だったが無難な出来。代表戦に向けて悪くない慣らし運転だったように思う。