プレミアリーグもとうとう最終節。既に優勝を決めているリバプールは、南野が移籍してから2試合目の先発。ポジションは4-3-3の左ウイングかなと確かめた瞬間に、ニューカッスルが早いリスタートから、オフサイドラインが崩れたところを突いて、ゲイルがゴールを決めていきなり失点。
当然、ニューカッスルは自陣にブロックを作ってカウンターを狙う形。南野はインサイドに入る事が多いが縦パスはほとんど出て来ず、サイドだとボールは来るのだが、すぐにマークで前を塞がれてバックパスになってしまう。
前半14分に、ようやくパスを受けてすぐにターン、そこからドリブルで切れ込む南野らしいプレイを見せる。28分にはターンで相手のマークを置き去り、そのままミドルを放つがニューカッスルGKドゥーブラフカにファインセーブされる。
ずっと攻めあぐねていたリバプールだったが、前半37分にオックスレイド・チェンバレンの突破からファン・ダイクがヘディングを決めて同点。41分にはケイタから南野がショートパスを受けたが、予測したタイミングと違うようで相手に引っかかってしまう。ロスタイムにはPA外で横パスを受け、シュートもGK正面。
後半、前半以上になかなか南野にボールは入らなかったが、15分にオリギが右でボールを持ち、前のスペースに南野が入り込み、その動きに相手DFが釣られたところでオリギがミドル、”影のアシスト”のような形に。
その後、南野はドリブルからサイドへパスしたり、2人に囲まれてバランスを崩したりというシーンはあったが、19分にオリギ、オックスレイド・チェンバレン、南野の3トップがまるごと下がって、フィルミーノ、マネ、サラーのレギュラーと交代。
レギュラーが揃ってリバプールのボールの動きは大きく安定し、後半43分にはサイドへ走るマネに中盤からのパスが通り、カットインから見事なコントロールシュートを決めてダメ押し、試合は1-3でリバプールが勝利、トータルで勝ち点99を重ねて有終の美を飾った。
南野のプレミアリーグ初年度は結局ノーゴール。リバプールの攻撃は、何よりサイドへの速く大きな展開がスイッチになっていて、マネとサラーのスピードが最大限に生かされるサッカーになっている。南野の場合は、インサイドでの間受けがスイッチなので、チームの定石とは全く異質な存在になってしまっている。
ただ、来期の事を考えればリバプールのサッカーが相手に研究される可能性は十分あるわけで、現状のようなサイド&ワイド一辺倒ではなく、インサイドを使ったスモールサッカーを武器に加える価値はあるんじゃないかと思うし、香川を使いこなしたクロップ監督もその考えは頭の中にあるはず。
とは言え、たとえその役割を担うとしても、今の南野はプレミアのレベルからするとあまりにパワーが足りない。アジリティを落とさずに、プレミアのフィジカルコンタクトに負けない筋力、体重を増やせるかがオフシーズンの課題になるだろう。