前節は久保のゴールでセルタに快勝したマジョルカだったが、今節はチャンピオンズリーグを狙う強豪セビージャにほぼ何も出来ず完敗、皮肉にもエイバルが乾の活躍で勝利したため、逆に残留が厳しい状況になってしまった。
とにかくセビージャを見ていて感心したのは、単に久保に対してマークを付けたりするのではなく、チームとして久保を封じ込める対策が徹底されていた事である。
まずマジョルカがDFラインでボールを持つと、ウイングのトーレスとインサイドハーフのバネガが並んで久保へのパスコースをシャットアウト、久保がボールを持ってから対処するのではなく、まずボールを与えない事を優先していた。
そしてセビージャがDFラインでボールを持つと、ウイングのトーレスが中に絞ってSBのポゾを引きつけ、出来たスペースにSBのレギロンやインサイドハーフのバネガが上がる。すると久保は守備に下がらざるを得なくなり、攻撃への切り替えが遅くなる。
たまに久保にまでボールが渡ると、あっという間にセビージャの選手3~4人が詰めて来て久保を囲み、仕方なく久保はボールを味方に渡してワンツーでの打開を狙ったりするのだが、まず久保までボールが返って来る事がない。
久保自身も疲労の蓄積は明らかで、守備には何とか走って戻りはするのだが、攻撃時のオフザボールの動きはほぼ皆無で歩くだけ、まあ、久保は極めてクレバーな選手なので、ここで下手に頑張り過ぎても勝ち目は無いし、怪我をするだけと判断したのかもしれないが。
結果的に、久保が交代したのは後半42分になってから。試合自体は後半39分のセビージャ2点目で決まっていたし、残り試合は2連勝が必須なマジョルカとしては、もっと早くに下げて温存すべきだったとは思うが、モレノ監督にどういう意図があったのか。
ともかく、久保のマジョルカでの試合はあと2試合。残留は厳しいだろうが、個人としての成績を少しでも伸ばしてシーズンを終えてもらいたいところだ。