リーガでは4位とチャンピオンズリーグが狙える位置に付け、ヨーロッパリーグでもアヤックスを破ってベスト16へ進出しているヘタフェをホームに迎えたマジョルカ。前節で得点を決めた久保はこの試合も4-4-2の右SHで先発。
それにしても、ヘタフェのサッカーは聞きしに勝る”アンチ・リーガ”ぶりである。4-4-2のハイライン戦術なのだが、ゾーンから素早くボールを受ける選手にアタック、ファールを辞さない激しい当たりで相手の攻撃を寸断、その瞬間FWがいち早く動き出し、そこにロングボールを集める。
まあそれだけなら特に珍しいスタイルではないのだが、ヘタフェの場合はボールを奪われた瞬間に、ボールに近い選手が再びボールに食らいついて奪い返しに行く。このセカンドエフォートを誰一人サボらず徹底しているところに凄さがある。
ただ前半は、ヘタフェのインテンシティサッカーにマジョルカもしっかり対応、久保にボールが集まって得意のゴールライン際ドリブルから股抜きクロスや、アウトサイドでのスルーパスなど久保らしいテクニカルなプレイからチャンスは作ったのだが、ピッチが濡れていたせいもあるのか味方と合わず、シュートまで行けず。
後半もマジョルカは良いリズムの立ち上がりを見せたのだが、セビージャを下げてチャバリアをFWに入れた事でロングボールでの攻撃が多くなって中盤が間延びし始める。そして後半22分にクロスからフリーでマクシモビッチに決められヘタフェが先制。
失点後のマジョルカはさらにアバウトなロングボールを増えてしまい、久保は後ろのラインに引っ張られて前線との距離が遠くなり、徐々に存在感が薄まって行く。
そして試合終了間際の44分、FKから久保が左サイドでボールを受け、足で引っ掛けられてファールを受けたに見えたが、逆に倒れた久保がボールに触ったと見なされ、ヘタフェにFKが与えられる。これに抗議したサルバ・セビージャがベンチで2枚連続でイエローをもらう笑えない珍プレーで退場。マジョルカにとっては後味の悪い敗戦になってしまった。
久保にチームの信頼が集まりつつあり、SBのポゾが徐々にコンビネーションを見せている中で、次節はセビージャが出場停止なのは痛い。ブディミルの復帰でどこまで盛り返せるか、マジョルカにとっては正念場である。