「アラフィリップのマイヨジョーヌ喪失で、フランスの天候も荒れ狂う」ツール・ド・フランス第19ステージ

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アルプス山岳ステージ3連線の2ステージ目になった第19ステージ。何かドラマが起こるだろうとは思っていたけど、まさかこんな形、結末になろうとは誰も予測が出来なかったに違いない。

まず、ここまで山岳で非常に好調で、マイヨジョーヌを十分狙えると思われていた総合5位のティポー・ピノが足の故障でまさかのリタイア。涙を流しながらペースダウン、最後には走るのをやめてチームカーに収容されて号泣するシーンは、フランス人で無くても見たくはなかった画面だった。

そしてゴール前50km地点から始まる超級イゼラン峠で、総合2位のゲラント・トーマスがペースアップするとアラフィリップが付いて行けなくなり、それを見て4位のクライスヴァイクが本格的なスパートを見せると、アラフィリップの遅れは決定的になる。

いったんクライスヴァイクのアタックにトーマスやベルナルが追いつくと、今度はベルナルがカウンターアタックを仕掛け、ライバル達を置き去りにしてどんどんとペースアップ、逃げていたニバリ、ウラン、イェーツらに追いつくとそのまま抜き去り、イェーツだけがかろうじてベルナルに反応する。

しかしイェーツもベルナルのスピードにはついて行けず交代、ベルナルは単独でイゼラン峠を先頭で通過。ゲラント・トーマス、ウラン、クライスヴァイク、ニバリ、ブッフマンのグループが1分3秒後に、さらにアラフィリップは2分10秒の遅れで長い下りに入る。

が、その下りの途中で何と猛烈な雹が降って路面が真っ白に、さらには土砂崩れで道路に水が出てあふれる状況になってしまい、オフィシャルはレースの中断を決断、イゼラン峠を通過した時点をゴールタイムとするアナウンスが発表された。これでベルナルが総合首位に立ち、2位のアラフィリップとは48秒、トーマスには1分16秒差で明日の最終血栓に臨むことになった。

下りが得意なアラフィリップにとっては、ベルナルとのタイム差を詰める機会を奪われ、結局マイヨジョーヌを失う結果になってしまい、失意の表情でチームカーに乗り込む姿が映し出され、昨日までは盛り上がっていたフランス人にとっては、まさに泣きっ面に蜂になってしまった。

ただ、この中断が無ければラストのティーニュ峠でさらにベルナルとアラフィリップの差がついていたかもしれず、しかも今日のステージは悪天候のために前半2つの峠が省略され、超級山岳バル・トランスへの登りのみ、59kmのコースに短縮されるそうで、パンチャー脚質のアラフィリップ向けになった事は確か。これでもし再逆転となれば、この荒れ狂うフランスの天気は結果的に幸運の神様だったという事になるわけだが・・・

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