「平幕が横綱相撲を貫いて研究され放題なのがジャパンズウェイ」フランス女子W杯 ベスト16 日本-オランダ

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グループリーグをイングランドに次ぐ2位で突破した日本は、ベスト16でグループEを首位で突破したオランダと対戦したが、結果は2-1で敗戦という残念な結果に終わってしまった。

日本はGK山下、DFが鮫島、市瀬、熊谷、清水、MFが長谷川、杉田、三浦、中島、FWが岩渕と菅澤の4-4-2で、オランダは4-1-4-1のフォーメーション。

イングランド戦の時にも書いたが、日本のサッカーは各国に対策され尽くしており、とにかく2トップと両SHにはしっかりマークを付け、DFにはあまりプレスをかけず、ボランチからに偏って配給されるパスをカット、素早くSBの裏を突く形が徹底されている。

これを打ち破るには攻撃に変化をつける事が重要で、前半にあった菅澤の決定機のように、左に岩渕が流れて長谷川が前線に飛び出し、ラストパスからシュートという形や、前半終了間際に岩渕のラストパスから長谷川がゴールしたようなシーンをもっと作れれば良かったのだが、はっきりチーム戦術としてデザインされた形は最後まで見られなかった。

ただ後半になると、この日本に対しては勝てると思ったのか、オランダは前線からプレスをかけるようになるが、あまり中盤から後ろが連動しておらず、オランダの足が止まった後半30分からは日本が岩渕、杉田、籾木、三浦とシュートチャンスを作るが決められず、後半44分に熊谷がハンドを取られてPK、これが決勝点になってしまった。

総評としてはイングランド戦と全く同じ。旧態依然の4-4-2を頑なに守る日本に対し各国はしっかりと対策を施し、日本はかつての澤や宮間のような違いを作れる選手がおらず、「自分たちのサッカー」をやって普通に敗退してしまった。

高倉監督は「決めきる力が無かった」と嘆いているが、決定力不足はメッシ擁するアルゼンチンにも言われている事であり、結局はチームとして得点を取る形が作れなかったという事である。今やFIFAランキングではオランダが8位、日本が7位と接近しており、順位からすると失望するほどの結果ではなかったわけだが。

JFAは早々に高倉監督の続投を表明したが、選手の自主性を重んじるという名のもとに、勝敗の責任も選手に丸投げの「ジャパンズウェイ」では、何か偶発的な幸運が重ならないと結果は出ないんだろうなと、改めて確信させられる大会であった。

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