いや~、試合を最初からフラットに見た限りでは、まさかこんな大差での決着になるとは思えない立ち上がりだったよね。
ご存知のように決勝の会場がアゼルバイジャンのバクーで、敵対しているアルメニア出身のムヒタリアンが結局チームに帯同せず、フォーメーションは2トップがラカゼットとオーバメヤン、トップ下がエジルの3-4-1-2、チェルシーがジルーの1トップにアザール、ペドロが2列目の4-3-3。
やや空席が目立つ会場は、両チームのサポーターもアクセスの悪さからか人数が少なく、スタンドもピッチ上も静かな立ち上がりで、ボールポゼッションはチェルシーが優勢なのだが、ジャカの強烈なミドルシュートなど、アーセナルはカウンターからむしろチェルシーよりも惜しい形を作っていた。
前半35分頃から、チェルシーはアザールとエメルソンが左サイドでコンビを作り、38分にはアザールからジョルジーニョ、最後はジルーがシュートもチェフが右手1本で弾く決定機を作るが、そのままスコアレスで前半を終える。
が、後半立ち上がりにいきなり試合が動く。4分にエメルソンのアーリークロスにニアへ飛び込んだジルーが頭で合わせ、さすがのチェフも止められずチェルシーが先制する。
これでアーセナルもようやくコラシナツ、メイトランド=ナイルズの両サイドが前に出て攻勢に出るのだが、逆に15分にそのメイトランド=ナイルズがボールを奪われ、コバチッチからアザールがタイミングを外したクロスを出すと、中に入ったペドロがファーに決めて2点目。
さらに後半17分、ペドロからのラストパスを受けたジルーに対して、メイトランド=ナイルズが後ろからのしかかってPKの判定、これをアザールが落ち着いて決めて3点目。しかしアーセナルも24分にゴール前のこぼれ球をイウォビがゴラッソなミドルを決めて2点差に戻す。
だがその直後、オーバメヤンが自陣でボールを失うと、ジルーのおしゃれな浮き球パスをアザールが押し込み、これで試合はほぼ決まってしまった。そこからはチェルシーもアーセナルも2点ぐらいは入りそうな決定機はあったがスコアは動かず4-1で試合終了。チェルシーがヨーロッパリーグ優勝を飾った。
アーセナルは優勝はもちろんの事、それで与えられるはずだったチャンピオンズリーグ出場権を逃す痛恨の結果に。ムヒタリアンが使えず、オーバメヤンは精彩を欠き、カウンター向きの選手じゃないのにトップ下でジョルジーニョをマークする仕事に忙殺されていたエジルと戦力のミスマッチが多く、しかも自陣でのミスから2失点と、選手層の違いが結果に出てしまった。
このアーセナルだったら、もしフランクフルトがチェルシーを破って勝ち上がっていたとしたら、十分勝てるチャンスはあったように思う。まあ取らぬ狸の皮算用ではあるんだけどね・・・(笑)。