さて、ヨーロッパの2018-2019シーズンも残すところあとわずか。リーグ戦が終わった国もあるので、恒例の海外組通信簿をスタートさせたいと思います。
今期については、ロシアW杯で日本は好成績を挙げたものの、そのせいで所属クラブへの合流が遅れてしまい、特に移籍した直後や監督が交代したところの選手にとっては厳しいシーズンになってしまいました。
最近ではJ2の若手選手にも欧州からオファーが届くようになり、以前だとW杯が選手移籍のショーケースになっていたのが、今では逆の作用になりつつあるのだなと痛感させられます。
イングランド・プレミアリーグ
岡崎慎司(レスター・シティ) 4.5
今期はベンチには入っているが、ほぼ守備硬め要員としての起用のみで、先発はほぼカップ戦に限られ事実上の戦力外。シーズン終了後にレスターからの退団が発表され、栄光に満ちたミラクルレスターの幕は閉じられることになった。Jリーグ復帰の噂もあるが、ドイツ2部あたりならまだまだ役に立てるんじゃないだろうか。
武藤嘉紀(ニューカッスル) 4
マンUとの試合でゴールを決め、これで乗って行けるかと思いきや、プレミアリーグのスピードとパワーに対応できず、徐々に出番を失ってしまった。ただ、岡崎のような例外を除けば誰もが苦しむ壁であり、ベニテス監督も猶予は見ているはず。武藤にとっては来期こそが本当の勝負である。
吉田麻也(サウサンプトン) 6.5
W杯の影響でチームへの合流が遅れ、シーズン序盤はベンチ暮らし。しかし腐らずカップ戦で結果を出して徐々に監督の信頼を取り戻し、3バックを採用してからは完全にDFリーダーとしてチームを統率、プレミアリーグも無事残留を果たして結果的には万々歳。プレイも安定感が増して、全盛期はこれからである。
リーガ・エスパニョーラ
柴崎岳(ヘタフェ) 4.5
三顧の礼で移籍したはずが、チームがたまたま採用した4-4-2のカウンター特化型サッカーが大ハマリ、柴崎の使えるポジションが無くなってすっかり戦力外扱い。しかし本人は持ち前のじょっぱり魂で腐らず練習、シーズン終盤になってようやく起用されるも、やはり守備にはまだ課題がある事を露呈。ボルダラス監督の続投が決まったので、環境を変えるのも手だとは思うが、やっぱり辛抱強く順応を続けるんだろうな。
乾貴士(アラベス) 5.5
こちらもベティスに大きくステップアップするも、サイドに開いて切れ込むプレイスタイルが持ち味なのに、インサイドハーフとして狭いスペースでのプレイを強いられ適応できず、出番を失いアラベスに移籍。逆にアラベスではのびのびプレイさせてもらい、出来にムラはあったがチームの上位進出に貢献。ベティスがセティエン監督の退任を発表したので、来期は戻る可能性は高そうだ。