埼玉スタジアムでの高校サッカー史上最多、54000人の観客を集めて行われた決勝戦。青森山田は4-2-3-1で、流経大柏も同じく4-2-3-1のフォーメーションでマッチアップする形。
予想通り、試合は序盤から局面で激しい闘いが繰り広げられ、なかなか試合の主導権が定まらない。どちらも自陣の深い位置までボールを送り込まれると、ハイプレスを警戒してロングボールで跳ね返し、それに対するデュエルが局面で繰り広げられる展開が続く。
そんな風にずっと落ち着かない試合が続き、ようやく試合が動いたのは前半31分、右CKから岡本の裏に飛び込んだ、鹿島入りが内定している関川がヘディングを決めて流経大柏が先制する。
しかし青森山田も前半40分にカウンターから右サイドを佐々木が抜け出し、中央への折返しをコンサドーレ札幌への入団が内定しているエース壇崎がきっちり決めて同点に追いつく。その後は青森山田のFKが流れてクロスバーという場面はあったものの、スコアは動かず前半を終了する。
後半も同様の流れで始まったが、18分に青森山田がカウンターから右サイドでボールを繋ぎ、バスケス・バイロンが2度の切り返しから放ったグラウンダーのクロスに、ファーでフリーになっていた檀崎が冷静に合わせてドッピエッタを決める。
流経大柏も、左部がDFからのボールをカットしてゴール前まで持ち込んだり、CKから須永がニアで合せたり、後半42分にはCKから関川がヘディングといったチャンスはあったがゴールは決められず。逆に後半43分、中央でパスカットから小松がオフサイドギリギリで抜け出し、冷静にゴールを決めて青森山田が3点目、これで事実上試合は決まってしまった。
4分のロスタイムも、青森山田は攻撃の手を緩めず、最後まで流経大柏に反撃の機会を与えず終始攻め続けて試合終了。青森山田は2年ぶり2度目の優勝、流経大柏は前年準優勝のリベンジを果たせず、悔し涙を飲む結果となった。
いかにもプレミアリーグ同士らしい、ゾーン・ディフェンス+ハイプレスの王道スタイルながっぷり四つという感じで、それだけに少しずつ個人能力が上の青森山田が押し出すような結果になった。流経大柏が勝つには、何か変化球を仕込む必要があったのかもしれないが、正面からぶつかったところが高校サッカーらしい潔さなのかなと。とにかく派手さは無いが見ごたえのある決勝戦だった。