2012年01月27日

本田のラツィオ移籍に立ちはだかるハードル

数日前から交渉が明らかになり、多くのサッカーファンが今日決まるのか明日決まるのかとやきもきしている本田のラツィオへの移籍ですが、やはり予想通りに31日の移籍期限ギリギリまでチキンレースが繰り広げられる様相になって来ましたね。

最初はスッキリと決まるように思われていたこの移籍が、ここまでもつれてしまっている原因としては、まず欧州を取り巻く経済情勢が大きいように思われます。

言うまでもなく、ソブリンリスクで特にスペイン、ポルトガル、イタリアの経済についてはこれから失速することが確実視され、UEFAのファイナンシャルフェアプレー規定も相まって、これらのリーグに所属するクラブは軒並み縮小財政を余儀なくされており、例年に比べると今冬の移籍市場は極めて冷え込んでいるのが現状です。

それに比べると、石油や天然ガス産業で潤うロシア(と中東マネーが入ったクラブ)は資金的に余裕があり、別に無理やり本田を放出してまで資金繰りをする必要がありません。ましてや、エースのヴァグネル・ラヴのフラメンゴへの移籍が決まり、来期CLの戦力維持も含めて考えると、ますますCSKAにとっては本田売却の必要性は無くなっています。

もう一つは、ラツィオ側のEU枠外選手の問題。いくらラツィオが金を積んでも、所属選手のEU外枠が埋まっている状態では移籍する事は出来ません。ラツィオはアルゼンチン人GKのカリーソを本田と交換で放出したがっていますが、CSKA側は必要ない様子。もう1人の放出要員であるマキンワについても、まだ移籍が確定したわけではないようで、これらが解決しないとどうしようもありません。

こういう厳しい状況で本田側が出せるカードがあるとすれば、怪我の不安を口実にした出場拒否でしょうか。まあ、そこまで強硬に出なくても、ロシアの気候と人工芝という環境では怪我の再発は避けられない、と医者の見解を添えてCSKAに揺さぶりをかけている可能性は高いと思います。と言うか、本田本人がもう何が何でもロシアリーグには出場したくないと思っていそうです。

CSKAにしてみれば怪我で出られない選手を抱え込んでいても金の無駄なので、CSKA側が本田の代わりに獲得を考えているであろう選手との移籍金を天秤にかけているところかもしれません。日本のスポンサーが動いてくれれば2億程度の穴埋めは出来そうですが・・・ザックも後押しを頼んます(笑)。

いずれにせよ、本田単独で移籍が決まりそうにない現状では、もし決まるとすれば移籍期限の31日に何人もの選手が一気に玉突き移籍される事になりそうな雲行きですな。

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2012年01月26日

「ハーフナー・マイクのほろ苦いデビュー」オランダ・エールディビジ第18節 フィテッセ-NEC

オランダで最も熱いと言われるヘルダーラントダービーでデビューを果たしたハーフナー・マイクだったが、チームは下位のNECに対して何とホームで敗れるという苦渋の結果に終わり、マイクにとっては何とも残念なスタートになってしまった。

その原因は、とてもここまでリーグ6位の成績を挙げていたとは思えないほど、フィテッセのサッカーがチグハグだった事に尽きる。守備を厚くしたNECに対してビルドアップで揺さぶりをかける事が出来ず、チンタラと足元へのパスを繰り返した挙句にミスをしてカウンターを食らう。

安田も積極的に高いポジションを取ろうとしていたのだが、DFとボランチ間でのパス回しが遅くてSBの前にスペースが出来ず、たまにオーバーラップをする機会があっても、中の選手がもたもたとタッチしている間にスペースを塞がれてしまう有様で、えぐってクロスを上げる機会をほとんど作れなかった。

後半になって、ようやく選手の動きに連動性が生まれて、安田も中へ切れ込んでから良いクサビのボールやスペースへのパスを出せる機会は増えたものの、ペテルセン以外のFWが新戦力だったのもあってか前線のコンビネーションが感じられず、唯一と言っていい決定機もGKバボシュの好セーブにあって決められず。

そしてハーフナー・マイクが投入された直後の74分に、それまで度々ゴール前で競り負けて危ないシーンを作っていたセットプレイから、とうとうジョージにこぼれ球を押しこまれて失点。その後はマイクに対してひたすらロングボールを蹴り込む攻撃に終始し、高さで勝てるマイクがイーブンボールを作るものの、落とし場所への息が合わずに最後まで同点のチャンスを作れずに試合終了。

マイクについてはまあそんな感じとしても、久々に見た安田のプレイについては、正直言ってもうちょっと頑張って欲しかったかなと。

フィテッセの中ではテクニックやスピード的に頭ひとつ抜けているのだから、こういうダービーのような試合ではもっとエゴを出して積極的に仕掛けて行くぐらいでちょうどいいのではないかと思う。守備でも、相手に当たらず簡単にポストをさせてしまったり、同じサイドをオーバーラップしてゴール前に入った選手のマークを外したりと軽い部分が多かったので、そこもちょっと気になった。

ハーフナー・マイクがフィテッセに来たのでザックの見学機会が増えると喜ぶのはいいけれど、今後代表定着を狙うのであれば、NECレベルの相手ならしっかり守れないと厳しいのではないだろうか。

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2012年01月25日

「ドイツのぬるま湯祭り」ドイツ・ブンデスリーガ第18節 ハンブルガーSV-ボルシア・ドルトムント

チームはアウェイで5-1の大勝、香川はビルド誌の採点が1.5の高得点、そしてレヴァンドフスキ、ブワシチコフスキと並んでのベストイレブンと、まさにウインターブレイクをお祭りで飾った感があるドルトムント。

これだけ絶賛評価が並んでしまうと、元来天邪鬼な私としてはつい斜に構えて見たくなってしまうもので(笑)、ドルトムントの内容が良かったのは間違いないけれども、HSVがドルトムントに対してあまりにも対策がイノセント過ぎたようにも思う。

ホームのHSVは、4-2-3-1のフォーメーションにして中盤を厚くし、ドルトムントに対して真っ向からパス勝負を仕掛けてきたのだが、それがそもそも無謀であった。

中盤では好守の切り替えが早いドルトムントの守備にあっという間に囲まれ、DFラインでボールを持っても2列目からどんどんプレッシャーがかかるのでフィードミスを連発。そこを拾って中央に持ち込んだ香川がシュートと見せかけてグロスクロイツにパスを出すと、HSV守備陣全員が見事に釣られて棒立ち、やすやすと先制点を決められてしまった。

2点目も、スローインからDFの1人が慌ててボールに飛び込んだところをレヴァンドフスキに抜かれ、もう1人のカバーも間に合わずに決められるなど、中盤のバイタルエリアをドルトムントが使った時の対処が全く整理されておらず、香川はそこのスペースを自由に使ってチャンスを作り続けていた。

HSVは後半からようやく己の間違いに気づき、4-4-2にしてシンプルにロングボールで攻めるサッカーに方針転換したが時既に遅し。ゴール前までボールは届くようになったものの、それで前がかりになったところをドルトムントに使われ、さらに失点を積み重ねて試合終了。

香川については、スペースメイクしないレヴァンドフスキとプレイするには、自分も動かずにバイタルエリアでフラフラとフリーになるポジションを探し、そこでボールを受けての反転からドリブルやオーバーラップする味方にパス、という中田@ペルージャスタイルで行くしか無いと腹をくくってしまったようだ。

ただ、それでも成功しているのは香川がフリーでいられて、なおかつ味方が香川を追い越してパスコースを作ってくれているからであり、香川にビッチリマンマークを付けられたり相手に押し込まれて前線が孤立した時にどう打開出来るか、という点での疑念は残る。

ブンデスだとドルトムントが劣勢に立たされる相手と言ってもバイエルンぐらいしかいないし、イタリアならともかくドイツじゃ誰か1人に厳しいマークを付けるようなチームは少ないので、これだと来期のCLで勝ち抜くための経験にはならないんじゃないかと思ってしまう。

彼自身も反省点と言っていたが、この試合でもグロスクロイツとのワンツーリターンをもらって角度がないとは言えシュートコースがあったのに、またグロスクロイツに返してカットされるというシーンがあったが、たとえ孤立した時でも自分の力で得点をもぎ取るような力強い選手を目指してもらいたいものである。

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