「ケディラ=キミッヒラインを餌に使ったメキシコの完璧なスカウティング」ロシア・ワールドカップ グループF ドイツ-メキシコ

2018/06/19 | ワールドカップ

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昨日はスウェーデン対韓国、ベルギー対パナマといった試合があったけど、やはりこれを見ないわけには行かないだろうと、メキシコがディフェンディング・チャンピオンのドイツに大金星を揚げた試合を観戦。

ドイツもメキシコもフォーメーションは同じ4-2-3-1で、ドイツの前線は1トップがヴェルナー、2列目がドラクスラー、エジル、ミュラーという並び。メキシコはチチャリートの1トップに、2列目がロサノ、ベラ、ラジュン。

メキシコの守備は、ドイツボールになると4-4-2の3ラインでセットし、自分のゾーンに入ったドイツの選手を最後までしっかりマークという、ぱっと見ではオーソドックスな守備戦術を取っているように見えるのだが、そこにはメキシコのオソリオ監督が仕掛けていた巧妙な罠が隠されていた。

まずメキシコはドイツのボランチの一角であるクロースには厳しくマークを付けていたが、ケディラがボールを持っても誰も守備に行かない。しかしケディラはいくらフリーでも縦パスを通す能力が無いので、結局近いサイドのキミッヒにパスを出してしまう。そこをメキシコの左サイドが待ち構え、分厚い守備でミュラーとキミッヒに全く仕事をさせない。

そしてボールを奪うと、チチャリートとベラが鈍重なドイツのCBコンビ、フンメルスとボアテングからすっと離れて縦パスを受け、キミッヒが上がったスペースにロサノが飛び出す。この形で前半から何度もカウンターからチャンスを作り出していた。つまりケディラにあえてボールを持たせ、キミッヒのオーバーラップを使わせる事が罠の正体だったのだ。

ドイツはそれに気づいて、途中からエジルが下がってゲームメイクをし、ケディラが攻撃参加する形で打開しようとしたのだが、前半34分にそのケディラがボールロストをしたところからメキシコがカウンター、チチャリートのポストをフンメルスがアタックに行くも交わされ、足を滑らせて守備はボアテング1人になり、最後はロサノがカットインからゴールと、ドイツのプランBが完全に裏目へと出てしまった。

後半からのドイツは、クロースが組み立ての時にはっきり下がって3バックのようになり、クロースに引き出されて出来たスペースをボアテングが持ち上がる形に切り替えたが、前線の動き出しが無くてボアテングが得意なミドルパスも不発。

ドイツは後半14分にケディラに代わってロイスが入り、エジルがボランチに下がる。前線がヴェルナーとロイスの2トップのような形になり、ロイスがスペースを作って攻撃の流動性が高くなり、ドイツがジリジリとメキシコ陣内でボールを支配するようになるが、キミッヒ、ヴェルナー、ロイス、クロースと決定的なシュートがことごとく枠へ飛ばない。

メキシコは5バックにして中央をさらに固める一方、ドイツも34分にSBのブラッテンハルトを下げてマリオ・ゴメスを投入、3-4-3に変更するも、何故かパワープレイをせずに相変わらず足元で繋ぎ、残り5分になってようやく放り込み。しかしメキシコも最後までプレスをかける運動量が落ちず、そのまま0-1で試合終了。優勝候補筆頭のドイツが初戦で敗れる大波乱となった。

オソリオ監督はプロフェッサーと呼ばれ、様々な戦術を駆使して選手をいろんなポジションで使うなど、最近解任された誰かさんとチーム作りのベクトルが同じ監督だが、半年前から準備していたプランが見事に当たって羨ましい限り。国民からは不人気だったけど、協会が変わらず支持をしていたおかげでこの快挙に繋がった。

それに比べて、この試合を見たのかどうかは知らないけど、どっかの国で院政を引いている老害からしてこの有様だからねえ・・・日本サッカーは全てにおいて世界から置いていかれつつあるのを痛感させられる毎日で本当に辛い。

さて気を取り直して敗れたドイツだが、自国で叩かれているほど攻撃は悪くなかった。前半に何度かあったシュートや、38分にメキシコGKオチョアの手に当たってクロスバーで跳ね返ったクロースのFKが決まっていたら、メキシコのゲームプランはおそらく最後まで持たなかっただろう。

逆に心配なのが守備。決勝トーナメントにコンディションを合わせているのだと思うが、各選手の体がいかにも重そうだし、キミッヒは上がりっぱなしでブラッテンハルトは存在感が無く、ノイアー、フンメルス、ボアテング、ケディラの守備のセンターラインが見るからに本調子ではない。スウェーデン戦がドロー以下で終わることになったら、まさかのグループリーグ敗退が現実的になってしまうかもね。

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