北中米W杯・アジア3次予選の最終戦、インドネシア戦はこれまでの不甲斐ない2試合が嘘のように6-0の完勝。ひとまずアジア予選のフィナーレを良い形で締めくくる事が出来た。
日本にとって、負けたオーストラリア戦と今回のインドネシア戦の運命を分けた要因は、何より日本が先制点を決めた事に尽きる。もっともインドネシアは1失点だけでは慎重な姿勢を崩さなかったが、久保のダブルタッチからの2点目で完全に守備固めの意識を捨てて、前からプレスをかける戦法に切り替えた。そうなったらスペースが欲しい日本の思う壺である。
あとオーストラリア戦からレベルアップした要因は、やはり遠藤が先発に復帰した点だろう。遠藤はビルドアップに詰まっていると見るや、すかさずDFラインの位置に落ちて数的優位を作り、相手の陣形を見ながらサイドチェンジでスペースを利用するなど、日本を完全にコントロールしていた。
ボランチで遠藤の相方で入ったのは佐野海舟で、初戦のオーストラリア戦では明らかに判断やポジショニングに迷いながらプレイしていたが、この試合はアンカーの役割を遠藤に任せ、縦横無尽に走り回ってライン間でパスを受けて前線とリンクする、佐野海舟らしいプレイを発揮していた。
攻撃陣ではやはり久保と鎌田。久保はキャプテンマークと10番を背負って1G2A、鎌田は先制点のヘディングと久保のアシストパスから個人技で切り崩した2点目と、レギュラー陣の中でも格の違いを見せつけた。町野もスペースがあれば久保や鎌田と相性が良い事をアピールできた。
そしてオーストラリア戦では不安定さを露呈したDF陣については、ボランチのカバーリングが安定した事で1対1に集中できるようになり、プレイに迷いが無くなって随分マシになった。インドネシア戦でデビューの鈴木淳之介も、持ち味の両足を使ったパスセンスを活かせていて一気に名前をアピールできた。
それだけに、オーストラリア戦では森保監督の舐め腐ったメンバー選考で、みすみす勝ち点3とFIFAランクのポイントを失ってしまった事が悔やまれる。W杯の組み合わせ抽選会で後悔するような事態にならない事を祈るばかりである。