ミュンヘンのアリアンツ・アレーナで行われた今年のチャンピオンズリーグ決勝、PSG対インテルの試合は、ご存知の通り5-0でPSGが圧勝するというまさかの内容と結果に終わった。
その大きな要因となったのは、PSGのゼロトップ戦術に対してインテルの守備が全く対応できなかった点にある。PSGが先制した12分の場面では、右ウイングのドゥエが左に流れてクロスを出したが、この場面で逆サイドを守っていたインテルの左WBディマルコが、ポジションを放棄してデュエのカバーに行ってしまい、オフサイドが取れない上にハキミがドフリーになって難なくシュートを決められた。
おそらく、本来はドゥエをマークするのはディマルコの仕事だったはずで、頻繁にポジションを入れ替えるPSGの前線に対して迷いが生まれ、ハキミの攻撃参加で完全に混乱してしまった感じである。ディマルコは、20分の失点シーンでも数的不利な状態からカバーが遅れてドゥエのシュートに足を出してコースが変わって失点に絡むという悲惨な役目になってしまった。
インテルはラウタロ、テュラムの2トップにボールを集めようとしていたのだが、PSGは3トップが絶え間なくプレスをかけてDFに余裕を与えず、何度も高い位置でターンオーバーを成功させてインテルに攻撃の形を作らせなかった。
それでも前半の終わりごろにはセットプレイからアチェルビ、テュラムが決定的なヘディングを放つが惜しくも枠を捉えられず。ここで1点差に迫って前半を折り返せば、もっと後半にインテルの勢いが生まれたかもしれないが、18分にヴィティーニャのドリブルからスルーパスをドゥエが決めて3点目、これで試合はほぼ決まってしまった。
あとは28分にカウンターからクヴァラツヘリアに抜け出され4点目、41分にはダメ押しのダメ押しとなる5点目を決められて5-0で試合終了。まあ、戦術も選手の能力もPSGが完全にインテルを上回っていたのは確かだったね。PSG、CL初優勝おめでとう!
