成人の日、国立競技場での決勝は、千葉の流通経済大柏と群馬の前橋育英という、奇しくも7年前の96回大会の決勝と全く同じカード。流経大柏と前橋育英のフォーメーションはどちらも4-4-2。
試合は互いに好守の切り替えが速い激しい展開。パスを繋ごうとする前橋育英に対し、ロングボールからセカンドボールを狙う流経大柏のほうが、シンプルな分アタッキングサードでプレイする機会が多い。
前半12分、流経大柏は高い位置で飯浜がボールを奪い、ドリブルでこぼれたボールを亀田が拾ってシュート、これがゴール左隅に決まって先制点をゲットする。前橋育英も15分には連続CKから流経大柏を攻め立てるがゴールには至らず。
しかし前半31分、右に流れたボールを黒沢がライン際でキープ、反転から上げたクロスを柴野がヘディングで押し込み前橋育英が同点に追いつく。34分にはオノノジュがラストパスに反応してDFライン裏へ抜け出すが、流経大柏GK加藤が飛び出して防ぐ。
後半は流経大柏が盛り返し、11分には亀田の横パスを受けた粕谷が右足シュートを放つが、前橋育英GK藤原が前に出てファインセーブ。19分には中央を崩して飯浜がシュートも前橋育英GK藤原がセーブ。
44分に前橋育英が右からのリターンに柴野がシュートもバーの上。後半5分のロスタイムもスコアは動かず前後半10分ずつの延長戦に突入する。
延長序盤は前橋育英がボールを支配、CKやセットプレイの機会が多かったが相手の守備を崩しきれない。その後は流経大柏が盛り返すが、攻撃のミスが多くて攻めきれず。延長後半ロスタイムには流経大柏の粕谷がカウンターからシュートもGK正面。試合はそのままPK戦へと突入。
PK戦ではどちらも7人目まで全て成功、8人目はどちらも失敗という大激戦になったが、10人目のキッカーを前橋育英が止め、最後は柴野が決めて前橋育英が優勝を決めた。どちらも中1日で110分、守備の足が止まらない鍛え抜かれたチーム同士の見ごたえがある決勝だった。