オランダは準々決勝と同じ4-2-3-1で、前線もデパイ、ガクポ、シャビ・シモンズは同じで、右SHにマレンを入れてきた。対するイングランドはこれまでの4バックをやめて3バックを採用、1トップがケイン、シャドーがベリンガムとフォーデン、サカが右WBに入った3-4-2-1。
イングランドはベリンガムとフォーデンがインサイドハーフのように中盤へ下がり、サイドはトリッピアーとサカのWBが上がってウイングのようにプレイする形。オランダは基本的にマンマークで守備をするのだが、どうしてもSBが大外の位置は取れないので、イングランドがサイドで主導権を握る流れ。
しかし先制したのはオランダ、7分にライスからボールを奪ったシャビ・シモンズがファーにミドルを叩き込むゴラッソを決めてしまう。しかしイングランドは16分にケインがPA内でシュート、これはバーを越えてしまったのだが、シュートの体勢に入った時にダンフリースが足の裏でケインの甲を蹴ったという判定でPK。
その後もゴールライン上でクリアされたフォーデンのシュートや、ポストに当たったミドル、CKからダンフリースのヘッドがクロスバーなど互いにチャンスを作るが得点ならず。オランダは36分にデパイが怪我で下がるアクシデント、フェールマンが右SHに投入され、マレンがトップに入る。
後半はオランダのSHがしっかり下がってサイドをカバー、マンマークからゾーン寄りに守備を変更、イングランドはボールは持てるけれども前半のようなスペースを与えてもらえず、攻め手が無くなってしまう。むしろ20分にオランダがFKからファン・ダイクが合わせるもイングランドGKピックフォードがかろうじて防ぐ。
これで勢いが出たオランダがボールを保持する展開に。イングランドは35分にウォーカーのクロスからサカがゴールを決めたかに見えたが、ウォーカーがオフサイド。ここでケインとフォーデンが下がってパルマーとワトキンズが投入。
そしてこのまま延長に入るかと思われた後半45分、パーマーからのパスをPA内で受けたワトキンズが振り向きざまにゴール左隅にシュートを決め、イングランドが土壇場で勝ち越す。オランダもザークツィーらFWを投入するが、ロスタイムにスコアは動かず2-1で終了。イングランドがスペインとの決勝戦へと駒を進めた。
イングランドは相変わらず前線が活きないサッカーだけど、3バックになって役割がはっきりした分、これまでよりは内容が改善した感がある。あとはどれだけ個人能力でスペインをねじ伏せられるかが決勝の鍵になりそうだ。