4カ国によるトーナメント形式で争われるEURO2024のプレーオフ。パスBの決勝はウクライナとアイスランドの対戦。スタジアムはポーランドのヴロツワフだが、ウクライナホーム扱いでの試合となった。ウクライナのフォーメーションは4-1-4-1、アイスランドは4-4-2の形。
試合はホームのウクライナがボールを保持する展開で始まり、ウクライナはエースのムドリクにボールを集めて攻撃を仕掛けるが、4-4-2のコンパクトな3ラインディフェンスを作るアイスランドを崩すまでには行かない。
むしろ14分にはアイスランドのソルステインソンに無回転のミドルを浴びて、ウクライナGKルニンが何とか片手で防ぐピンチを作られる。その停滞した流れの中で、前半30分にアイスランドはグドムンドソンがバイタルエリアで細かいドリブルからミドルシュートを叩き込んで先制してしまう。
その後は先制したアイスランドがベタ引きになり、ウクライナが完全にボールを支配。36分にはスダコフが強烈なシュートを放つが、アイスランドGKバルディマルソンがファインセーブ。そして39分には右サイドの飛び出しからのクロスに、ヤレムチェクが合わせてゴールを決めたかに見えたがVARでオフサイド。
後半は開始からウクライナが圧倒的に攻め立てる流れ。後半7分にようやくアイスランドがカウンターからチャンスを作ったら、逆にウクライナがクロスカウンターでツィガンコフが右サイドを抜け出し、カットインからそのままゴール右にシュートを決めてウクライナが同点。
同点にされてもアイスランドのベタ引き状態は変わらず、ウクライナのハーフコートゲーム状態が続くが、なかなか数多くあった決定機をものに出来ない。逆に32分、アイスランドはソルステインソンがカットインから強烈なミドルを放つが、ルニンがかろうじてセーブ。直後にもDFのパスミスからサイドネットを揺らすシュートを浴びる。
しかし後半40分、右サイドの突破から中への折り返しをエースのムドリクがゴール左に流し込み、ホームのウクライナが勝ち越しに成功する。その後は当然アイスランドが反撃に転じるものの、ウクライナはきっちり試合をコントロール。そのまま2-1で逃げ切りEURO本大会への出場を決めた。
未だロシアの侵略に晒されている事を考えると、気軽におめでとうとは言えないけれど、ウクライナにとっては国民に勇気を与えるEURO出場となったのではないだろうか。