日本戦で1-4の大敗を喫し、試合後にハンジ・フリック監督を解任、チームディレクターのルディ・フェラーが監督代行で指揮を取った、ドルトムントで行われた親善試合のフランス戦。
崖っぷちのドイツに比べるとフランスは余裕しゃくしゃく、ここまでユーロ予選は5試合無失点無敗の首位独走、前節のアイルランド戦から6人の先発を代えて、エムバペ、ジルー、デンベレといった攻撃陣の主力を温存した4-4-2で臨む。対するドイツは4-2-3-のフォーメーション1で、日本戦から1トップをミュラーに、両SBをヘンリヒスとターに代えた形。
試合開始4分に、ドイツは左サイドをパスワークで崩し、ヘンリヒスからのマイナスのクロスをミュラーが胸トラップから落ち着いて決めてドイツが先制する。ビハインドを負ったフランスはその後もペースが上がらず、ようやく前半20分過ぎに主導権を握り始める。
ドイツはここでギュンドアンが怪我で下がり、パスカル・グロスが入る。フランスは、38分にようやくセットプレイからチュアメニが連続してヘッドもドイツGKテア・シュテーゲンが防ぐ。その後もフランスがペースを握るがスコアは動かずドイツが1点リードで後半へ。
後半序盤はフランスが攻勢に出るも、すぐにイーブンな展開になりどちらも惜しいチャンスを作る流れ。後半19分にドイツはミュラーとニャブリを下げてハヴァーツ、ブラントを入れて、フランスはテュラム、デンベレ、クンデを投入する。
その後は互いにプレスの勢いが落ちてゴール前でのシーンが増え、フランスはデンベレにボールを集めて攻め立てるが、ドイツも日本戦とは違ってゴール前での集中力を保ち、フランスに得点を許さない。34分にはドイツがゴセンスとホフマン、フランスはフォファナを投入。
後半37分に放ったグリーズマンのミドルはテア・シュテーゲンが防ぐと、42分にドイツが中盤でボールを奪ってカウンター、ハヴァーツのスルーパスに抜け出したザネが冷静にファーへ流し込んでドイツが追加点。
しかしフランスは43分に左サイドでパスを受けたカマヴィンガがカットインしたところをザネが足を引っ掛けてしまいPK、これをグリーズマンが決めて1点差。後半ロスタイムもフランスが終始ボールを支配するが、最後までスコアは動かず2-1で試合終了。ドイツがフリック監督解任後、初めての試合で勝利を飾った。
4日前に惨敗したドイツがフランスに勝ったと聞いて、よほど解任ブーストがかかったのかと思っていたが、浅野の3点目で追うのをやめたリュディガーのような手抜きプレイは無かったものの、フランスも本気メンバーではなく、W杯決勝トーナメントのようなインテンシティにも欠け、やはり親善試合は所詮こんなものだという印象。
日本が強くなった事は確かだが、やはり親善試合で絶対的なレベルを図るのは危険だと肝に銘じ、決して自信過剰にならずしっかり足元を一歩一歩固めていくしか無いだろう。