「プレミアというよりリバプールの洗礼を受けた遠藤」イングランド・プレミアリーグ第3節 ニューカッスル・ユナイテッド-リバプール

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日曜日の夜に前半だけリアルタイムで観戦していたのだが、最終的にリバプールがヌニェスの2ゴールで逆転勝利したとはいえ、リバプールは早々にアレクサンダー=アーノルドのボーンヘッドで失点、直後にファン・ダイクが一発レッドで苦しい展開を強いられた試合だった。

その1つの要因となってしまったのは、リバプールでの初先発となった遠藤のプレイ。4-3-3フォーメーションのアンカーで先発したのだが、シュツットガルトでやっていたのと同じ調子でプレイしてしまい、結果的に空回りして守備が機能しない原因を作ってしまっていた。

リバプールの守備はご存知のようにゲーゲンプレッシングが特徴で、インサイドハーフのマカリスター、ショボスライが高い位置からハイプレスを仕掛けるのだが、前半5分には彼らの動きに釣られて遠藤までハイプレスに参加してしまい、あっさり裏を取られたシーンがあった。

攻撃陣はマークを決めてプレスに行くが、DFラインはゾーンで守るのがリバプールの特徴なので、アンカーの仕事はDFラインの前でバランスを取り、ボールを奪いに行くよりはコースを切って相手を追い込むなど、DFと連携を取ってポジションを取るのがメインの役割なのだが、実は遠藤がそういうプレイをあまり得意としていない現実がある。

代表でも、バランスが取れる守田や田中碧と組むと機能するが、攻撃がメインの柴崎や鎌田とペアになると明らかに守備が不安定になっていた。シュツットガルトでも3-4-3のダブルボランチを組む場合が多く、中盤がコンパクトな中で素早くボールホルダーに寄せて奪い切るプレイが持ち味で、1人で広いエリアをカバーする能力は持ち合わせていない。

後半28分にファン・ダイクが一発レッドで退場した場面でも、その前のシーンで遠藤が中盤に釣られて前へ出て、左に流れたジョエリントンに遠藤がついて行ってしまい、中に出来たスペースにパスを通されてファン・ダイクが遅れて行ったためであり、遠藤にも責任が無かったとは言えない。

ファン・ダイクが退場してから、しばらくして遠藤とマカリスターがダブルボランチを組んだ4-4-1になったのだが、これで遠藤が前に出てもマカリスターがカバーしてバランスを取るようになり、11人の時よりも守備が安定したのは皮肉である。

後半5分には、マカリスターが前に出た裏のスペースにパスを通され、遠藤の反応が遅れてシュートまで行かれたが、このあたりにも課題は残る。遠藤は後半13分に交代、その後はマカリスターとショボスライのダブルボランチになったが、彼らを見ても守備時はほとんど中のポジションから動かない。その代わり、いざ出る時には躊躇せず一気に飛び出す。ダラダラ動かずメリハリがあるんだよね。

リバプールが4-3-3をやめて、ショボスライをトップ下にした4-2-3-1にすれば遠藤もそのまま通用すると思うが、アンカーとしてレギュラーを目指すならば、遠藤がリバプールとプレミアリーグにアジャストするしかない。もちろんそれが出来る選手だとは思うが、ちょっと時間はかかってしまうかもしれないね。

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