昨シーズンにリバプールから鳴り物入りで移籍するも、18試合で1Gと低調な結果に終わってしまった南野拓実。今期はザルツブルク時代の恩師であり、フランクフルトでも指揮を取ったアディ・ヒュッター監督が就任。プレシーズンマッチのバイエルン戦でゴールを決めるなど復調しつつある南野が開幕戦で先発出場した。
クレルモン、モナコともにフォーメーションは3-4-2-1、南野は右シャドーのポジション、1トップがベン・イェデル、左にはロシア代表のゴロビンが入った形。南野はフォーメーション上はシャドーだが、実際は攻撃時に右WBのヴァンデルソンが高い位置に上がり、トップ下に近い位置でプレイ。チームからの信頼も高く、ボールを受けてから素早く味方に繋いでいる。
が、先制したのはクレルモン。前半7分にCKからマイナスのキックをビエテスカがヘディング、コースは正面だったがモナコGKケーンがキャッチできずファンブル、そのままゴールに入ってしまう。
13分には南野が相手を背負ってキープ、2人に囲まれたがロストせずファールをゲット。そして前半26分、南野がDFラインを気にしながら飛び出すと、裏に走っていたヴァンデルソンにマークが付いていてオフサイドにならず、ヴァンデルソンの胸トラップを受けた南野が左から股抜きクロス、これをヴァンデルソンが難なく押し込んで同点。
33分には右サイドに抜け出した南野がダイレクトシュートも、ジャストミートせずGKがキャッチ。39分にはカウンターからベン・イェデルのパスを受けた南野がDFに囲まれこれはロスト。
クレルモンにあっさりDFラインを抜け出され危ないシーンを作られるが、42分にフォファナが左サイドへ抜け出してシュートがポストに当たったこぼれ球をベン・イェデルが押し込んでモナコが逆転、前半を終了する。
後半開始からクレルモンが攻勢、8分に南野にやられたお返しとばかりに股抜きクロスからチャムに決められ再びクレルモンが同点。後半はパッとしなかったモナコは、15分にベン・イェデルの強引なドリブルから南野がシュートもGKがキャッチ。
しかし25分、南野がベン・イェデルのパスに反応してターン、折返しはベン・イェデルに合わなかったが、ファーに飛び込んだヴァンデルソンがGKに当て、それをベン・イェデルが押し込みモナコが再逆転。しかし相変わらずモナコは簡単に決定機を作られる流れ。
南野は後半40分にお役御免。モナコは後半ロスタイムにアクリウシェが4点目のダメ押しゴールを決めて勝負あり。そのまま4-2でモナコが開幕戦を勝利で飾った。とはいえ、あまりにDFが簡単に裏を取られ過ぎで、チームとしては不安が残る開幕であった。
南野は、昨シーズンまでのようなサイドで孤立して無理な1対1を強いられる場面は少なく、彼自身が得意とするライン間でボールを受けて、PAの近くで決定的な仕事をするプレイが増えている。やはり活かし方を知っている監督が来たのは大きい。まだチャンスメイクのレベルで、ゴール前に入ってシュートという形にはなってないが、時間が経てば増えていくだろう。