モロッコサポーターで充満した異様な雰囲気のアルベイト・スタジアムで行われた、もう一方の準決勝であるフランス対モロッコ。
フランスは準々決勝のメンバーからウパメカノ、ラビオが体調不良で外れ、フォファナとコナテが入った4-2-3-1、モロッコは最初から5-4-1の守備的なフォーメーションを採択。
この試合もやはり慎重な立ち上がり。フランスはあまり前から行かず、あえて待ち構える形。とおもったら、前半6分にグリーズマンがスルーパスに反応して右サイドを抜け出し、折り返しをエムバペがシュート、こぼれ球をSBのテオ・エルナンデスが押し込み、ここまでオウンゴールによる1失点しかしていないモロッコのゴールを打ち破る。
モロッコも反撃、10分にはウナヒが巻いたボールのミドルを放つがフランスGKロリスが弾く。17分には一発のロングボールからジルーが抜け出しシュートもサイドネット。モロッコは前半21分に、故障のサイスが下がってアマラーが入り、4-1-4-1の形に変更する。
前半36分にはフランスがチュアメニの突破からエムバペ、跳ね返りを拾ってジルーと連続の決定機も決められない。モロッコは、45分にCKから浮いたボールをエルヤミクがオーバーヘッド、これがポストに当たる最大のビッグチャンス。
後半開始早々、前半はあまり出番が無かったエムバペに2度ほど良い場面が出来る。が、そこからはモロッコがボールを支配、右サイドのハキミを中心に攻め立て、フランスは自陣に引き過ぎて何度か危ないシーンを作られる。フランスはカウンターを狙うが、モロッコは素早いゲーゲンプレスで奪い返す。
フランスは21分にジルーが下がってテュラムが左SHに入り、エムバペがトップに移る事でモロッコにやられていた左サイドの守備を強化。モロッコもエンネシリが下がってアブフラルなど2人を交代、4-4-2の攻撃的な形に変更する。
モロッコは31分に敵陣の高い位置でボールを奪うがシュートまで持ち込めず。逆に後半34分、エムバペがターンからテュラムのリターンを受けてPA内に切れ込み、シュートのこぼれ球を交代で入ったコロ・ムアニが押し込み追加点、これでほぼ試合は決まってしまった。
ロスタイム4分にはモロッコが左サイドをドリブルで突破、ライン際をえぐった折り返しをウナヒがシュートも、クンデがカバーしてゴールを許さない。そして試合は2-0で終了、フランスがアルゼンチンとの決勝へと駒を進めた。
前半早々にフランスが先制した時は、もっと一方的な試合になるかと思ったのだが、ハリルホジッチが土台を作ったチームだけあって、ポジションバランスを崩さずゲーゲンプレスでフランスにカウンターの機会を与えず、終盤まで拮抗した内容を見せていたのはさすがだった。
フランスはラビオ欠場の影響か、思ったよりも中盤でボールを持てずラインが下がって危ない場面を作られたが、”残念そこはグリーズマン”で献身的なカバーリングで何とか持ちこたえた事が大きかった。決勝は、エムバペ対メッシの新旧スーパースター対決となったが、果たしてどちらに軍配が上がるのだろうか。