今期の主要な欧州リーグが終了し、カタールW杯に向けて準備のテストマッチ期間がやって来ました。
欧州ではネーションズリーグが行われる関係で、日本がこの時期に対戦できるのはそれ以外の地域に限られるという事で、キリンチャレンジカップではパラグアイとブラジル、キリンカップではガーナとチリまたはチュニジアという対戦相手になってしまいました。
これまで、日本がW杯でグループリーグ突破という結果を出した時のチームに必ず見られた特徴は、トルシエジャパンでは鈴木隆行、第2次岡田ジャパンでは1トップにコンバートした本田圭佑、西野ジャパンでは大迫勇也というように、FWに強力なポストプレイヤーがいた事に尽きると思っています。
日本最大の弱点は、デュエルが弱くて1対1でボールを奪えないために、守備陣には味方のサポートが常に必要で、そうなると当然チーム全体がズルズルと下がってしまい、やっと相手からボールを奪えたと思ったら自陣の深い位置というパターンに陥ってしまう事でした。
中盤がテクニシャンに偏重している日本は、自陣の深い位置から手数をかけてパスをつないでも、ゴール前に迫った時には既に相手の守備が揃っていて、最後は精度の低いミドルやクロスを打って跳ね返されるのが関の山でした。
結局、日本にとって機能した攻撃は、ロングボールを相手陣へ蹴り込み、FWが数的不利な状態でもボールをキープ、攻め上がった中盤のテクニシャンに繋ぎ、相手の守備陣形が整わないうちに攻め切る形しかありませんでした。
しかしここに来てようやく、日本は冨安、遠藤、板倉、伊藤、守田とデュエルで世界と対抗できる選手が守備陣に揃うようになり、以前のように引きまくらないと守れないメンバーでは無くなっているはずです。
奇しくも、今回はFWには怪我明けの大迫は招集されず、裏抜けや飛び出しが得意な選手がFWに集結しました。これでようやく、W杯で高い位置からボールを奪い、素早く攻め切るカウンターチームへと変貌できる可能性が出て来たと思っています。
選手個々のデュエル能力が高い南米が相手となるこの4試合は、W杯本番に向けて日本のカウンター能力を試す最後の機会です。監督の能力が最大の不安ですが、とにかくフラットな目線で試合を見ようと思います。