フランスが勝ち点4、ドイツとポルトガルが勝ち点3、そしてハンガリーが勝ち点1と、全チームに決勝トーナメント進出のチャンスが残った最終節のグループF。ドイツ対ハンガリーは、ドイツが3-4-2-1で前節から3トップの左にザネが入った形。ハンガリーは5-3-2の守備的フォーメーション。
試合は当然のようにドイツがボールを支配するが、ハンガリーは5バックが細かくラインをコントロール、中盤の3人がマンマークでパスの出どころを封じ、ドイツ自慢のサイド攻撃を徹底的にスローダウンさせる狙いが見える。
すると前半10分、ドイツの中央でのミスパスを拾ったハンガリーが、右サイドでのカウンターから最後はアーリークロスを1トップのサライがヘディング、ノイアーの手も届かずハンガリーのゴールが決まる。
ドイツも、前半17分に右サイドをワンツーで突破するがクロスは誰にも合わず、20分にはCKからフンメルスのヘッドがクロスバー、直後にPA内でギンターが合わせるもハンガリーGKグラーチがしっかりキャッチ。
しかしその後は大雨のせいもあってかドイツの攻撃が停滞。特にポルトガル戦で大活躍した左サイドWBのゴセンスがほとんどボールに絡めず、怪我で先発から外れたミュラーの不在が響いている。
後半からドイツはキミッヒがボランチ、右WBがザネ、シャドーにギュンドアンとハヴァーツという形にして来た。さらに13分にはギュンドアンに代えてゴレツカを投入。すると後半21分、ドイツのFKにグラーチが飛び出すも触れず、フンメルスの折返しをハヴァーツが押し込みドイツが同点に追いつく。
ここでドイツはヴェルナーとミュラーを入れたが、その隙を突いた形でハンガリーが速攻、中盤でパスカットしたシェファーがサライのポストからそのまま左サイドを飛び出し、ザネが慌ててマークに行くも追いつけずに頭で押し込み、あっという間にハンガリーが勝ち越し。
ドイツはゴセンスとザネが前線に張ったまま、クロースが徹底的に前線へクロスを放り込むのだが戦況は変えられず、後半35分には業を煮やしたクロースがワンツーから飛び出しシュートもわずかにゴール右。
最後にドイツはムシアラとフォラントを入れると、この采配がようやく当たる。後半39分にドイツはムシアラのドリブルで左サイドを突破、中で合わせたヴェルナーのシュートは相手に当たったが、こぼれ球をゴレツカがゴール右に決めてまた同点。
このままではグループ敗退が決まるハンガリーはもちろん前に出て来るのだが、疲れがあるのかミスが増えてゴールまで攻め切れず。そのまま2-2で試合終了、裏のポルトガル対フランスもドローで終わったため、当該成績の差でドイツがグループ2位、ポルトガルが3位でのグループ突破となった。
ハンガリーは予想通りのグループ敗退とは言え、フランスとドイツ相手に2試合ドローと立派な戦績、数少ないチャンスから思い切りの良い攻め上がりで得点をもぎ取る、”マジック・マジャール”と呼びたい見事な試合ぶりで、ここで消えてしまうのがもったいないグッドルーザーだった。
これでドイツの決勝トーナメント1回戦の相手はイングランドに決定。ポルトガルはベルギーに決まり、死のグループを突破してもまた大変な試合が待つことになり、こちらは楽しみだけど選手らは大変である(笑)。