PSGはムバッペを含む7選手が新型コロナウイルスに感染、選手のやりくりに苦しむ中でのフランスダービー。PSGは4-3-3で前線はネイマール、ディ・マリア、サラビアの3人。マルセイユは酒井が右SBで先発、トヴァンが1トップに入ったいわゆるゼロトップの4-1-4-1で臨んだ。
試合はいきなりヴェッラッティのミドルをマンダンダがファインセーブして始まる。前半7分には味方のミスを酒井がカバー、ネイマールがダイブ気味の演技でファールとみなされ、酒井はイエローカードをもらってしまう。
前半15分にはロペスが1トップに、トヴァンが右SHへ下がる。前半18分、クロスに酒井が遅れてしまい、ネイマールに先を取られたがヘディングが外れて命拾い。
ここまで全く攻める事が出来なかったマルセイユだったが、前半31分にカマラが受けたファールでFK、パイエのキックにオフサイドギリギリで抜け出し、完全フリーになったトヴァンが冷静に押し込みマルセイユが先制する。
このあたりから両チームの選手が事あるごとにエキサイト、ファールのたびに小競り合いが始まるが、何とか収まって前半を終了する。
後半から今度はパイェがロペスと交代して1トップに移る。そして同じようにPSGがボールを支配。7分にネイマールとの1対1で、股抜きを読んで酒井が止めるファインプレイ。
ここからはマンダンダ劇場が始まり、11分のネイマールのパスから最後はサラビアのシュートは鋭く飛び出して防ぎ、15分のネイマールのミドルは味方に当たってコースが変わったが足だけで止める。
25分にはサラビアに酒井が裏を取られ、折返しにネイマールが合わせるがシュートはファーに外れると、32分には大きくサイドに振られての頭で折り返したボールにネイマールがヘッドも厚く当たって外れるなど、ネイマールのシュート精度にマルセイユは助けられる。
マルセイユはトヴァン、パイェを下げて逃げ切り体勢。40分にダグバのクロスにサラビアが飛び込むも酒井が競ってシュートを許さない。これでマルセイユがそのまま逃げ切るかと思われた。
しかし後半ロスタイム5分に、ネイマールがアルバロをライン際で突き飛ばしたところから両者が口論となり、その直後にパイェが倒れた場面でベネデットに倒されたパレデスが飛び込み、アマヴィとクルザワが蹴り合って、そこからチームが乱闘状態。
結局アマヴィとクルザワが一発レッド、パレデスとベネデットが2枚目のイエローで退場。さらに、ネイマールがアルバロの後頭部を殴ったシーンがVARで見つかり一発レッド、とうとう8人対9人になった状態で再開、すぐに試合終了。マルセイユが20試合、9年ぶりにPSGを破って勝利を挙げた。
後味の悪い結末にはなったが、酒井は2度ほど裏を取られたシーンがあったものの、トヴァンが守備に戻りきらない中で、ネイマールとディ・マリア、ベルナトと対峙して失点を与えなかったのは非常に立派だった。まあ、この後でサンテティエンヌに負けてしまったのだが・・・