高校サッカー選手権のディフェンディングチャンピオンであり、高円宮杯ファイナルも制したユースも含む高校年代王者の青森山田が、今年のインターハイ準優勝の富山第一と対戦する、3回戦屈指の好カード。
青森山田は4-2-3-1のフォーメーションで、富山第一は3-1-4-2の形でスタート、最初はやはり長いボール主体でプレス回避の展開だなと思ったら、いきなる前半8分に青森山田がロングスローからこぼれ球を松木が蹴り込み先制する。
その後も富山第一が、サイドチェンジやDFライン裏へのボールを多用してくるのだが、青森山田が守備陣形を整える前に攻めきる意識が強すぎて、結局PA外からのミドルが多くてシュートの本数は多いが決定機には至らない流れ。
後半4分、横浜FC入りが決まっている青森山田の古宿が蹴ったFKにFW田中がGKの前で合わせて2点目のゴールを決めると、後半19分には浦和レッズへの移籍が決まっている武田の右CKから神田が下がりながらのヘディングを決めて3点目。
富山第一は後半24分に、ゴール前25mのFKから吉藤が頭で折り返し、そのボールを矢崎が押し込んで1点を返す。が、青森山田は全く慌てる事無く、30分に古宿のCKから再び松木が頭で触って4点目、これで試合は決まってしまった。
青森山田は前線からのプレスが収まる気配が無くて、富山第一は90分間まともにビルドアップをさせてもらえず、中盤の守備の戻りも非常に早くて3バックによるサイドでの戦術的な優位性を活かせてもらえなかった。各選手も慌てる事無く、常にバランスを維持してミス無く最適なプレイをするなど青森山田は全く隙が無い。
3回戦注目の一戦ではあったのだが、正直なところ年齢が2つ上のような、カテゴリーが違うチーム同士の試合かというぐらいに自力の差があったかなと。絶対王者の青森山田をどのチームが苦しめるのか、それが今年のテーマである事は間違い無さそうだ。