フェルナンド・トーレスの引退試合という事で、歴代2位の観客が詰めかけて満員の駅前不動産スタジアムだったが、鳥栖にとってはひたすら神戸の強さを見せつけられて終わってしまった試合だったね。
神戸は夏にフェルマーレンと酒井高徳、飯倉を補強、3バックにしてDFラインが安定した事でサンペールが守備の負担から開放され、ピボーテとしてのびのびと攻撃を操れるようになった。相手がサンペールにマークを付けても、飯倉がパス回しに参加して数的優位でプレスを交わし、フェルマーレンとイニエスタがサイドチェンジで一気にスペースへとボールを動かしてしまう。
鳥栖は高い位置からプレスをかけようとしていたんだけど、どんなに追っても神戸にプレッシャーを交わされ、サイドチェンジでゾーンのスライドを余儀なくされ、左右に振られて中が緩くなったところにサンペールの縦パスや山口蛍の飛び出しを食らってシュートまで持って行かれてしまう。
山口も酒井高徳も、ゾーンを作ってバランスを取るようなプレイは下手くそだけど、マンマーク気味の守備からガンガン攻撃参加するようなプレイなら十分世界レベルで、今の神戸のスタイルには非常にフィットしているし、本人もサッカーが楽しそうに見える。
そして何よりイニエスタ。守備の不安定さが無くなった事で、本来持っている能力を全開、試合開始直後から酒井高徳と絡んで左サイドを切り裂いたのを皮切りにキレキレのプレイを繰り出すと、圧巻は前半22分に田中順也とのワンツーからダイレクトで出した40mのロングパス、これがピタリと古橋に合って折返しを田中順也がドカン。間違いなく、今シーズンのベストゴールに挙げられるであろう美しい得点だった。
それだけに、前半の終わりにイニエスタが肉離れで退いたのは残念だった。後半の序盤は、イニエスタがいなくなったせいか神戸のビルドアップにミスが相次ぎ、鳥栖に何度か決定機を与えてしまっていた。ここで得点が入っていたら、試合の流れは変わっていたかもしれない。が、トーレスも絶好期に決められず、終盤にようやく1点を返したが、それ以上に追加点を取られて1-6で試合終了。
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最後の最後まで、あまり結果という面では報われなかったけど、それでも鳥栖を愛する気持ちを持ち続けてくれたのが嬉しいですな。トーレス、お疲れ様!