「長谷部を”猫だまし”に使ったヒュッター監督の奇策、難敵をノックアウト」UEFAヨーロッパリーグ 決勝トーナメント1回戦第2レグ フランクフルト-シャフタール・ドネツク

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昨日はリーグ戦もいろいろあったけど、まだ見ていなかったヨーロッパリーグのフランクフルト対シャフタール・ドネツクの試合を録画で観戦。

シャフタール・ドネツクとの第1戦を2-2で終えた後を受けた、フランクフルトホームでの試合。シャフタール・ドネツクが4-2-3-1と同じフォーメーションにして来たのに対し、フランクフルトは何と長谷部がアンカーになり、3バックはエンディンカ、ヒンテレッガー、アブラアムを並べた3-1-4-2にして来た。

最近はリベロの長谷部に対して相手の1トップがマンマーク気味にプレッシャーをかける対策が浸透しつつあるが、この試合は長谷部がアンカーになった事で、シャフタール・ドネツクのプレスの狙いがはっきりせず、フランクフルトも無理に長谷部がボールを持ってゲームメイクするでもなく、どこか漫然とした試合展開になってしまう。

しかしそれこそがヒュッター監督の策だったのか、フランクフルトは前半23分に右サイドへの展開パスからダ・コスタがスルッと抜け出し、クロスをヨヴィッチが完璧に右足を合せてフランクフルトが先制点を決める。さらに25分、セカンドボールをローデがダイレクトでシュートしたボールが相手の腕に当たりPK、あっという間に2点の差をつける。

そこからはシャフタール・ドネツクがフランクフルトを押し込むのだが、PA内にまで入ると、3バックに加えて長谷部がDFラインに下がって対応、全く慌てず冷静にこぼれ球を拾って「残念、そこは長谷部だ」状態。

後半もフランクフルトが試合をコントロールしていたのだが、後半17分に中盤で長谷部がカバーに行ったところをサイドチェンジされ、クロスをジュニオール・モラレスがシュート、これをフランクフルトGKトラップがキャッチしきれず1点差。

これで試合の行方は一気にわからなくなり、勢いに乗ったシャフタール・ドネツクの流れになった後半19分には、長谷部のカバーが届かずクロスバーに当たるシュートを打たれ、33分には右サイドからのクロスに合せたタイソンのヘディングがクロスバーと、いよいよ空気が怪しくなる。

ところが後半35分、マルロスのドリブルを奪ったエンディッカからコスティッチ、ハラーとパスが繋がり、ハラーがGKビアトフのタイミングを外すフェイントからゴール、これが試合の行方を完全に決めてしまった。そして43分には相手のスローインを奪ったレビッチがカットインからゴールを決めてダメ押しの4点目。そしてそのまま4-1で試合終了、トータル6-3でフランクフルトがベスト16入りを決めた。

今まで4バックで長谷部をアンカーに使った事はあったが、3バックのアンカーという初めての奇策をここで使った事に驚いた。おそらく、第1戦で長谷部がリベロでフィジカル負けしたのを嫌っての策だったと思うが、結果的に相手の狙いをはぐらかす効果が生まれたのは確かで、奇策がうまくハマった結果になった。相手のプレスが強くて長谷部のビルドアップがやり難くなる強豪相手には、今後も使える布陣ではないだろうか。

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