「ハイプレスに対する経験不足を露呈、終盤の猛攻も運に見放される」女子ワールドカップ2023 準々決勝 日本-スウェーデン

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なでしこジャパン準々決勝の相手は、優勝候補のアメリカを破って勝ち進んできたスウェーデン。日本のメンバーはノルウェー戦から遠藤が下がり、GK山下、DF南、熊谷、高橋、MF杉田、長谷川、長野、清水、シャドーが宮澤、藤野、1トップが田中美南というメンバーの3-4-2-1。対するスウェーデンは4-2-3-1、メンバーはアメリカ戦と一緒。

前半の入りはスウェーデンのペース。スウェーデンはボランチの1枚が下がってアンカーとなり、日本の2列目の間でフリーなポジションを取り、SBが高い位置に上がってSHと縦2枚になり、日本のWBに対して数的優位を作って押し込む展開。

日本はサイドが押し下げられている分、カウンターは中央に偏った攻めにならざるを得ず、これまで上手く使っていたサイドチェンジが見られない。16分にようやくこの試合初めて日本らしいテンポの早いパスを繋いだ組み立てを見せるがシュートまでは行けない。

スウェーデンは25分、一発のパスで抜け出しシュートの決定機。27分、日本はやっとサイドチェンジから清水がクロス、杉田が入るもシュートは出来ずだったが良い形。しかし前半32分、FKから山下が飛び出してパンチングした後の混戦で、こぼれ球をエルステッドに押し込まれてスウェーデンが先制する。

中盤の素早いプレスにパスが間に合わない日本は攻撃が組み立てられず、42分には強引な形で持ち込まれて最後はフリーでシュートを打たれるが、山下がかろうじて触ってゴールポスト。

後半から日本は遠藤を投入するが、5分に日本はCKの場面で長野のハンドがあり、VARでスウェーデンにPKが与えられ、山下が飛んだ逆を突かれて追加点。日本は遠藤のクロスからファーで藤野がシュート、右サイドからのクロスが相手に当たったボールを長谷川がシュートというチャンスを作るが枠に飛ばない。

このあたりからスウェーデンの足が止まり、26分には中に入ってきた藤野が抜け出しシュートも相手GKに弾かれる。すると27分、植木がPA内で足がかかってPKをゲット。しかしキックはクロスバーに当たって真下に飛ぶが、ゴールラインを割ってない判定でノーゴール。

さらに後半42分、ゴール前で得たFKの場面で、藤野のキックはクロスバーとポストに当たって跳ね返り、ゴールライン上で流れてノーゴール、日本はとことんアンラッキー。しかし42分、日本はPA内で植木が切り返しからシュート、スウェーデンDFが足を出したが止めるのが精一杯、飛び込んだ林が押し込み1点差。

10分間のロスタイムも日本は必死の猛攻を見せるが、スウェーデンGKの好守もあってゴールを最後まで割ることが出来ず、試合はそのまま2-1で終了、日本はベスト8での敗退となった。

スウェーデンのプレスが最後まで持たないのは分かり切っていたが、そこで辛抱できずに為す術もなく失点、PKもあってスウェーデンに主導権を握られ、後半20分を過ぎてようやく猛攻を見せるものの、クロスバーやポストに嫌われるなど運も無かった。

もっとこういう相手と多くの試合をやっていれば、前半のプレスをパスでいなして後半勝負に持ち込み、確実に勝ちへ結び付けられたはず。日本は若いメンバーが多いので、この悔しさをきっと次は晴らしてくれるだろう。

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