チャンピオンズリーグのグループDは大混戦。首位のスパーズが勝ち点8で、スポルディングとフランクフルトが勝ち点7、最下位のマルセイユが勝ち点6と、全チームに勝ち抜けのチャンスがある状態で、マルセイユとスパーズ、スポルディングとフランクフルトが対戦する最終節。
フランクフルトは2位のスポルディングと同勝ち点ながら、前回の対戦で0-3と破れているため、決勝トーナメント進出には勝利が絶対条件。スポルディングは守田が怪我のため欠場、フォーメーションは3-4-2-1。対するフランクフルトは鎌田がボランチ、前線がコロ・ムアニ、ゲッツェ、リンストロムの3-4-2-1。
試合はホームのスポルディングがボール保持率で上回る流れで始まる。前回のホームではハイプレスをかけて息切れしてしまったフランクフルトは、自陣で5バックを作って相手を待ち構える守備で入っている。
前半12分、スポルディングはフランクフルトのCKからあわやオウンゴールというシーンを作るが、GKアダンがかろうじて弾く。13分には鎌田が不用意なスライディングをパウリーニョに見舞ってしまいイエローカード。
20分頃からはフランクフルトも徐々にアウェイの雰囲気に慣れて来て、前からプレスをかけるようになるが、スポルディングの選手はそれぞれキープ力があるので、なかなか高い位置でボールを奪うことが出来ない。32分には鎌田のクロスが足裏に入って足首をくじいたヌーノ・サントスが怪我で交代。
どちらも決定機を作れないまま迎えた前半39分、自陣左サイドでペッレグリーニがボールをキープしきれず奪われ、最後はクロスをエンディカが頭に当てたボールが、ファーサイドにいたアルトゥールの前に飛び、これをダイレクトで合わせたシュートがフランクフルトGKトラップの腕を弾いて先制ゴール。
決勝トーナメント進出には2点が必要になったフランクフルトは、後半からボランチにローデを入れてリンストロムを下げ、鎌田とゲッツェがシャドーに並んだ形に変更する。これで中盤の強度が上がったフランクフルトは、前半よりも高い位置でボールを奪えるようになる。
すると後半14分、アーリークロスにコロ・ムアニが頭に当てて浮いたボールを、鎌田とコアテスが競り合って、コアテスがファールをもらうためかオーバーアクションした腕にボールが当たり、PKの判定。鎌田はレーザーポインターを顔に当てられて思わず苦笑、しかしキックは迷いなく右へ蹴り込んで同点。
後半26分にはフランクフルトが猛攻、クロスに何度か鎌田がゴール前で競り合うシーンがあった後、27分に相手のカウンターをカットしたボールからエビンベがヒールでつなぎ、抜け出したコロ・ムアニがDFと競り合いながらファーに突き刺すシュートを決め、とうとうフランクフルトが逆転する。
ここでフランクフルトは、カードをもらっているヤキッチとコロ・ムアニを下げて、ボレとスモルチッチを投入して守備固め。押されるフランクフルトは、37分に鎌田が右サイドでカウンターを仕掛けるが、ボールをロストしてチャンスにならず。
スポルディングは最後までパワープレイはせずにボールを繋ぎ、後半ロスタイムには連続してCKのチャンスはあったが、フランクフルトが体を張った守備で得点を許さず、そのまま1-2で試合終了。フランクフルトが敵地で勝ち点3をゲット、歓喜の決勝トーナメント進出となった。
鎌田は、ボランチの位置では相手のボランチとマッチアップして良い形でゲームメイクはさせてもらえなかったが、後半はボール奪取の仕事をローデに任せ、シャドーの位置で多くの攻撃に絡んだ。やっぱり本質的にはトップ下が適正なんだろうな。