UEFAだけが得をするネーションズリーグもグループリーグ第4節。ここまでグループ首位のイタリアは、3試合全部引き分けと調子が上がって来ないドイツと対戦。ドイツはフォーメーション的には4-2-3-1だが、左SBのラウムが常時高い位置を取って、ザネがインサイドに入った実質3-2-4-1。対するイタリアは4-3-3という形。
カタールW杯の出場権を失った事で、イタリアのマンチーニ監督は思い切った世代交代とターンオーバーを仕掛けたせいか、イタリアは戦術的な統一感に欠けており、前線がハイプレスをかける割には後ろが連動せず、DFラインとの間にスペースが空きがちで、DFラインの裏をあっさり取られて基点を作られ、中盤の波状攻撃を許すところは、日本代表とそっくりである。
10分にズーレのパスからヴェルナーに裏を取られて、クロスにフリーで飛び込んだキミッヒに押し込まれて先制を許すと、前半ロスタイムにはホフマンの飛び出しに反応が遅れたバストーニが後ろから倒してPKで2点目。
後半開始早々はイタリアがチャンスを作るが決められず、6分にイタリアはセカンドボールを拾われクロスのクリアボールをミュラーがミドルを決めて3点目。その後はイタリアが押し込むも何度かあった決定機に決められず。
すると23分にミュラーがDFラインの前でボールを上手く受け、ニャブリの折り返しをヴェルナーが決め、直後にはイタリアGKドンナルンマとクリスタンテの息が合わず、ニャブリが拾って最後はヴェルナーが決めて5点目。
イタリアは後半34分にニョント、ロスタイムにはバストーニがお情けのようにゴールを決めたが、結局試合は5-2で終了。世代交代中とは言え、イタリアにとっては厳しい現実をまざまざと見せつけられた試合となってしまった。
本番だったら日本も選手間で戦術をすり合わせる時間はあるだろうし、チュニジア戦よりはマシなチーム状態になるとは思うが、守って守りきれる相手ではないので、どこまでコンパクトな形を最後まで保って攻守のバランスを取れるかが最大のポイントになるだろう。