最初のステージから落車事故が頻発し、3年前の覇者であるゲラント・トーマスは肩を脱臼、昨年2位のログリッチは全身擦過傷、クリス・フルームは完全に脱落と、次々に優勝候補の選手にトラブルが襲いかかる中、奇跡的にほぼ無傷の状態で生き残っているディフェンディング・チャンピオンのポガチャル。
ツール前半戦の勝負どころである、第5ステージ27.2kmの個人タイムトライアルでは、総合争いのライバルがあまりタイムを伸ばせない中、ポガチャルがキュング、ヴィンケゴー、ファンアールトというタイムトライアルスペシャリストを一蹴、天気にも恵まれ20秒以上の差を付けてトップタイムを叩き出し、圧巻のステージ優勝。
ただしマイヨ・ジョーヌについては、現保持者のファンデルプールがステージ5位の快走を見せ、ポガチャルは総合タイムで5秒及ばずジャージを死守。本人的にはタイムトライアルの練習はほとんどしてなかったらしいが、驚くべき潜在能力を見せつけた。
フランス期待のアラフィリップは、残念ながら本調子にはほど遠い走りで、結局トップから1分11秒差の遅れで14位と冴えない結果に。ログリッチは44秒、ゲラント・トーマスは1分18秒という結果になって、総合争いという点では完全にポガチャルが体3つぐらい抜け出した状況で、よほどのトラブルが起こらない限りはこのまま独走で優勝しそうな勢いである。
ここから2日間は平坦基調のコースが続き、そして第8ステージからはいよいよアルプスの山岳ステージが始まる。果たしてポガチャルの牙城を崩す選手は現れるのだろうか。