「真の主役ファンアールト、個人TTで有終の美を飾る」ツール・ド・フランス2022 第20ステージ

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今年のツール・ド・フランス最後の勝負は、ラカペル-マリバル~ロカマドゥールの40.7kmの個人タイムトライアル。2014年以来、絶えてなかった長距離TTが待ち受けた。

まず序盤に登場した、個人タイムトライアル世界選手権王者のフィリッポ・ガンナがトップタイムをマーク、そこからは1分差以内に迫った選手はカッタネオやフレッド・ライト、モレマぐらいで、このままガンナが最後まで首位を守り切るかに思われた。

しかし、前日に爆発的なアシストでヴィンゲゴーに総合優勝の座をプレゼントしたファンアールトが、第2計測ポイントでガンナを24秒引き離すペースを見せると、ゴールでは結局ガンナに対して41秒の差を付けてトップタイムでゴール。

そして総合争いトップ3がスタート、ゲラント・トーマスは最初の計測ポイントで1秒遅れ、ポガチャルも同じく1秒の遅れとなるが、何とマイヨ・ジョーヌのヴィンゲゴーがファンアールトよりも7秒早いタイムで通過する。

第2計測ポイントではポガチャルがやや失速したが、ゲラント・トーマスが3秒、ヴィンゲゴーが1秒のビハインドで迫る。しかし下りのコーナーでヴィンゲゴーがあわやコースアウトというアクシデントがあり、ヴィンゲゴーはリスクオフの走りに切り替える。

ゲラント・トーマスは最後に失速して結局32秒差の4位、ポガチャルは27秒差の3位、ヴィンゲゴーが19秒差の2位で入り、ステージ優勝のファンアールトとユンボ・ヴィズマがワンツー、チームの総合力を見せつけて戦いは終了した。

今年のツール・ド・フランスで本当の主役は誰だったかを挙げるとすると、間違いなくファンアールトだと誰もが答えるだろう。おそらくポガチャルのチームにファンアールトがいればポガチャルが優勝していたはずで、スプリントでもタイムトライアルでも強く、山岳でもタフさを見せつける姿は、かつてのエディ・メルクスを彷彿とさせる。

体重を落としてステージレーサーに鞍替えすると無敵の選手になりそうだが、ここからどんな目標に突き進んでいくのか、目が離せないのは確かだ。

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