川崎に開幕から20戦負け無しのJ1新記録がかかった一戦。川崎のフォーメーションはいつもの4-3-3で、3トップはレアンドロ・ダミアン、三苫、家長という並び。鹿島は4-2-3-2で1トップが上田、2列目が荒木、小泉、土居という形。
いきなりビトゥカが自陣で持ち上がったところを奪われ、三苫がシュートも右に外れる川崎の決定機で始まったが、鹿島の守備は何か特別な事をしているわけではなく、4-4の2ラインをコンパクトに保って守り、ボールを奪ったら上田の動き出しに縦パスを合わせてカウンター狙い。
中央を絞って守る鹿島に対して、川崎のSBは比較的自由にボールを持つ事が出来、前半19分に山根から家長へパスを見せかけて裏にレアンドロ・ダミアンが走り込み、鹿島の対処が遅れてゴールを決められてしまう。
鹿島は両SHの荒木と土居が早めにSBへのカバーへ行くようになり、マイボール時にはサイドが攻撃参加するようになって、川崎のサイド優位がある程度解消されて試合が落ち着くようになる。39分にはバイタルでボールを持った荒木からのパスを土居がシュートという鹿島の初チャンス。
後半、鹿島は白崎を左SHに入れて荒木をトップ下に移し、前からプレッシャーを仕掛ける展開で始まるが、ボールを奪われDFライン裏のスペースに三苫が飛び出す場面が何度かあってまたピンチ。
しかし鹿島も後半13分に高い位置で登里からボールを奪い、最後は上田がPA内でボールを持ち、そこではシュートを打ちきれなかったものの、今度は後半16分に上田がスルーパスにギリギリ抜け出しゴール、一度はオフサイドと判定されたがVARで得点が認められる。
このあたりから、川崎の守備への戻りがやや遅くなり、鹿島がダイレクトで中央突破を試みる場面が増え始める。そして後半25分には川崎のバックパスを拾った上田がシュートも川崎GKチョン・ソンリョンの飛び出しに阻まれる。これが決まっていれば、また違った結果になった可能性は高い。
ここからはむしろ鹿島がボールを保持して川崎がカウンターという流れに。しかし40分過ぎからは再び川崎が盛り返す。そして引き分けのムードが漂い始めた後半ロスタイム、残り3分のタイミングで出場した小林悠が、長谷川からのクロスが抜けたボールを落ち着いてニアに流し込み決勝点。川崎が2-1で勝利し、J1開幕から無敗の新記録を達成した。
鹿島は相馬監督に交代してからは好調だったが、王者川崎にはわずかに及ばず。内容的にもまだ小さくない差があるのは事実だが、若い選手が伸びているのでこれからが楽しみなチームである。