「意外と普通なチームになったヘタフェで、のびのびとデビューを飾った久保」スペイン・リーガエスパニョーラ第18節 エルチェ-ヘタフェ

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久保がヘタフェ移籍後の初戦で途中出場デビューを飾った試合だが、まだ今シーズンのヘタフェをしっかり見た事が無かったので、流し気味ではあるが一応最初から試合を見てみた。

ヘタフェのフォーメーションは4-4-1-1で、1トップにマタ、トップ下にバルサからレンタルされたアレニャ、SHがククレジャとマクシモヴィッチの先発。

第17節までのヘタフェは勝ち点17で、降格圏の18位にいるエルチェとはわずか勝ち点1差という厳しい状況。試合が始まってみると、ヘタフェが何故今期はここまで苦しんでいるのかが良く分かってしまった。

今までのヘタフェは、とにかく徹底したハイプレスと前線への放り込みというアンチ・フットボールのスタイルが有名だったのだが、エルチェ戦ではいきなり前半3分に失点して相手が引き気味になってしまったのもあるが、意外とパスを繋ぐ普通のチームになってしまったなという印象。

しかし何か明確なビルドアップの意図があるわけでなく、ただ漫然とボールを繋いでいるだけなので、なかなか相手の守備を動かしたり剥がしたりする事が出来ず、ボールをロストしてはまた守備に戻るという繰り返しなので、かつての思い切ったハイプレスがすっかり影を潜めている。

前半の終わりにクロスからククレジャのヘディングで同点に追いついたものの、試合のペースはエルチェに握られていたと言える出来だったが、後半7分にエルチェのマルコーネが2枚目のイエローで退場した事でヘタフェは一気に有利な立場になった。

と思いきや、4-4-1の形で自陣にしっかりゾーンを固めるエルチェに対してヘタフェが攻めあぐねる時間が続き、ようやく後半19分にマタがスルーパスに抜け出してシュートを放ったタイミングで、久保がマクシモヴィッチに代わって右SHで出場する。

すると後半24分、右サイドでパスを受けた久保がドリブルからカットイン、ミドルシュートはエルチェGKエドガル・バディアにセーブされたがこぼれ球をマタが押し込み、ヘタフェが勝ち越しゴールを挙げる。

後半27分には、カウンターの場面で久保のドリブルから逆サイドのククレジャに正確なサイドチェンジ、ククレジャの折返しはわずかに高くて久保の頭にかするだけ。32分には流れの中から前線に動いた久保にスルーパスが渡るが、後ろから潰されてファールを取ってもらえず。

このあたりから相手のSBが露骨に久保をマンマークし始める。37分には左に流れていた久保がボールを受けたところで後ろからリゴーニにスライディングタックルを受け、リゴーニにはイエローカード。

そして後半39分、右サイドの高い位置でボールを受けた久保が、ワンフェイクから柔らかいクロスを入れると、中で競り合ってマタが倒れたシーンでPKの判定。これをアンヘル・ルイス・ロドリゲスが決めて3点目。

ロスタイムには右から久保がPA内にドリブルを仕掛け、これも後ろから体を当てられて倒される。VARだったらPKをもらってもおかしくないシーンだったが、アウェイと点差を考えてか取ってもらえなかった。そしてそのまま1-3で試合終了。

まだチーム練習にもろくに参加していない状態でのぶっつけ本番だったが、結果的に2得点に絡み、まあ上々のデビューと言って良いのではないだろうか。とは言え、相手が10人になってからの投入だし、エメリが問題視した守備でのインテンシティはククレジャと比べると相当見劣りがする。ボルダラス監督の戦術やタスクをプレイに落とし込み、スタメンに定着する事がまず第一だ。

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