昨晩、安倍総理がIOC会長バッハ氏と会談を行い、東京五輪の1年延長で合意、正式に延期が決定されました。
東京五輪を21年夏までに開催で首相とIOC合意 首相が延期を提案、バッハ氏が100%同意 | 読売新聞 https://t.co/grsdpMf896
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) March 24, 2020
自分的には、2週間前の時点で延期になる事を予測していたので、この結果はまあ当然の事として受け止めています。
まあ東京五輪の落とし所は延期でしょうなあ。1年後ならワクチンが使えている可能性は高いし、2年後でもカタールW杯が秋になるので夏場は空いてるし。
— こばやしりょーじ (@gazfootballcom) March 13, 2020
ただし問題は、1年後になって本当に五輪が開催可能な状態になるのかどうかという点です。残念ながら、新型コロナウィルスは季節性インフルエンザのように夏になると勝手に消えるウィルスでは無さそうですし、国民が集団免疫を獲得して感染が止まるには、70%の人が感染しないといけないというデータがあります。
現在の日本の感染ペースで70%の集団免疫を獲得するには3年という期間が必要と言われていますし、果たして免疫が付いたとしてもそれが3年持つかどうかも分からない。下手をするとそのまま再感染で永遠にループが続く事もあり得ます。
それに関連して、西部謙司氏がJリーグの無観客試合の可能性についてコラムを書いておられます。
いま、そこにある現実。Jリーグの無観客試合を考える【緊急コラム無料公開】 https://t.co/nmb2f3aPVC #西部謙司 #フットボール・ラボ
— 西部謙司フットボール・ラボ事務局 (@footballlab_tar) March 24, 2020
現在の自粛状況を続けて集団免疫を獲得する3年間、ワクチンが出来たとしても1年間は通常開催が出来ないのではないかという指摘で、確かに数字上は十分有り得る話かと思います。
ただ、集団免疫については当該ウィルスに感染して獲得する免疫だけじゃなく、自然免疫や他のコロナウィルスによって増殖するTリンパ球による効果もあるのではないかという指摘もあります。
新型コロナにかからないための五カ条 免疫学の大家がお教えします(木村正人) – 個人 – Yahoo!ニュース
注目したいのは、「実際、人口約1000万人の武漢で感染者が10万人程度、たとえこの10倍いたとしても100万人、つまり10人に9人以上は感染しなかったと考えられます」「これが、まったくウイルスに触れなかったためだけとは考えにくく、かなりの人たちは実際は何らかの抵抗力をもっていたために発症しなかったのだと私は考えています」という部分です。
個人的に、この考え方にはある程度共感しています。まだロックダウンに至っていない日本が欧米よりも感染ペースがスローなのは、単にハグの習慣が無いとか、綺麗好きとか手を洗う習慣があるからだけでは弱いと思っていて、日本を含む東アジアはある程度の集団免疫を獲得しているのではという仮説は、自分の中で以前から持っていました。
もちろん、それだけでは五輪やJリーグのような大規模イベントの解禁には不十分で、集団免疫の獲得を明示化出来ないのであれば、ワクチンや特効薬の出現を待つしかありません。ただしワクチンについては残念ながら早期の結果は期待薄です。
新型コロナウイルスのワクチンは、いつできる? ──基礎から最新事例まで「知っておくべきこと」|WIRED.jp
即効性に期待できるのは特効薬の方で、現在も複数の薬について臨床試験が進んでいます。アビガンは効果はある模様ですが催奇性があって妊婦に使えません。もし重症化を防ぐ標準治療が確立すれば、新型コロナウィルスは普通の風邪の一種という立場に成り下がり、「普通の生活」への復帰に光明が見える事になるでしょう。
あとは、日本が春から夏を迎えてどれだけウィルスの伝播を遅らせることが出来るか。欧米に比べて南米や東南アジアの国が低い感染率なのは、やはり気温と湿度が関係しているのは確かでしょう。その2つが、当面の焦点になるのではないかと思っています。