今期のJ1もいよいよ残り2試合。ラグビーW杯中のアウェイ8連戦を4勝2分2敗で切り抜け、現在首位に立つFC東京は、プレーオフ圏の16位に位置している湘南ベルマーレと久々のホームで対戦。
試合は序盤からアウェイ湘南のペース。中盤の激しいプレスと前線の献身的なプレスバックで東京の中盤に対して全く余裕を与えず、ボールを奪ったら1トップの山崎や、両サイドのWBにロングボールやサイドチェンジを集めて一気に基点を作る。
しかし3バックの湘南はあまりゴール前には人を送り込めず、基点から先のプレイ精度を欠いて、良い形で攻め込みながらもシュートが打てず、逆に東京のほうが人数をかけた分厚い攻撃でシュートまで持って行く場面が多い。
試合が動いたのは前半36分、ボールを奪って山崎が繋ぎ、右へ走り込んだ松田に山田直輝の見事なパスが通り、松田のシュートはゴール前に戻った森重に当たって入り、アウェイの湘南が先制点をゲットする。東京も反撃して42分には室屋がPA内で倒れたがファールを取ってもらえず前半を0-1で終了する。
後半は自陣に5バックを引いてスペースを埋める湘南に対して東京は攻めあぐみ、15分ごろから少し湘南のプレススピードが落ちて、東京がボールを保持して攻める展開になるが、湘南は22分に3人目の選手交代を敢行、徹底してプレス合戦を挑む姿勢。
ところが終盤はむしろ前半から飛ばしていた湘南のほうが元気で、東京は攻守の切り替えが遅くてなかなかペースが上がらない。終盤に得た三田のFKも外れ、このまま試合が終わるかと思われたロスタイム5分、ロングボールのこぼれ球を森重がダイレクトで決めて東京が同点に追いつく。
湘南は最後にCKを獲得したが、ちょうど50分に達したところでレフェリーが試合終了の笛を吹き、結局ボールは蹴らしてもらえず。東京は勝ち点1を積み上げたが、横浜Fマリノスが勝利したために首位陥落。勝ち点1差の2位で残り2節を迎える事になった。
Jリーグの場合、勝ち点でリードしていてホームゲームを迎えるという、本来なら有利に立つはずのチームが、えてして緊張で足が動かず消極的になって負けてしまう場合が多いのだが、この試合もまさにそのパターンに入り込んでしまった格好になった。最終節はホームで横浜Fマリノスとの直接対決。果たして東京はこのドローを糧に出来るのだろうか。