「日本の土俵に上がってくれたスコットランドの”優しさ”を活かせるか」フランス女子ワールドカップ グループD 日本-スコットランド

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初戦は”格下”アルゼンチンに守り切られてまさかのドロー発進になってしまったなでしこジャパン。2戦目のスコットランドは早くも崖っぷちの試合になってしまった。

日本はGK山下、DF清水、熊谷、市瀬、鮫島、MFが中島、三浦、杉田、遠藤、2トップが菅澤、岩渕と選手を代えて来た。対するスコットランドは4-2-3-1のフォーメーション。

スコットランドは割と日本に似たスタイルで、DFラインでしっかりビルドアップしながら、一気にスピードアップをしてサイドアタックを仕掛けて来る。守備でも4-4-2でマッチアップ、デュエルでプレッシャーをかけて来る。

日本はアルゼンチン戦に比べると、菅澤へロングボールを通してポストからサイド攻撃など大きな展開を見せてリズムを作る。すると前半23分に相手のクリアミスを拾った遠藤から岩渕に股抜きパス、岩渕の思い切ったシュートがGKの頭上を抜いて決まる。

これで日本は今大会初めて落ち着き、デュエルを仕掛けられても慌てずしっかりボールを繋ぎ、27分には連続攻撃から岩渕がシュート、相手の手に当たったように見えたが笛は鳴らず。31分のチャンスもヘディングをライン際でクリアされて追加点ならず。

しかし前半36分、カウンターからロングパスに抜け出した菅澤が手で引っ掛けられて倒れ、今度こそPKの判定。これを菅澤自身が冷静にGKの逆を突いたキックで2点目を決める。その後はやや日本が集中を欠いてミスから攻め込まれるが、何とか無失点で折り返す。

後半も試合のリズムは変わらず、日本が攻守の切り替えでスコットランドを上回り、13分には中島がカットインからミドルもGKがかろうじてセーブ。そして前半と同じように、途中から日本のボールを奪ってからの繋ぎでイージーなミスが増え、33分にはCKからゴールポストに当たるシュートを打たれるピンチ。

さらに日本はスコットランドに押し込まれると、後半43分には市瀬の横パスが相手へのプレゼントパスになってしまい、そのままミドルを決められて1点差。しかし日本は何とかコーナー付近で時間を使って2分のロスタイムを逃げ切って初勝利を飾った。

アルゼンチン戦の時には縮こまった攻撃しか出来ずに落胆したが、スコットランドがわざわざ日本の土俵に上がって来てくれた、日本が対処しやすいサッカーをしてくれたというのも大きいが、ようやく日本らしい「味方が動いている事を信じてボールを速く大きく動かすサッカー」が見られるようになったので少し安心した。

後は試合のコントロールの拙さ、せっかくボールを奪ったのにその次のパスをミスして連続攻撃を食らう、悪いサイクルに陥ってしまう点が改善できないと、とても決勝トーナメントで戦えない。若手が多く経験不足、澤のようなチームをまとめ上げるリーダーが不在という課題はずっと高倉ジャパンにはつきまとっている。

幸い、裏の試合でイングランドがアルゼンチンに勝利したので、6グループで上位4チームが当てはまる3位抜けの可能性はかなり高くなった。イングランドとの試合でまた成長してくれる事を期待するしかない。

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