「イランはこれまでと次元が違う相手だが、攻略法が無いわけではない」アジアカップ 準々決勝 中国-イラン

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昨日は韓国対カタール、UAE対オーストラリアの準々決勝があり、カタールとUAEが準決勝へと進出。今大会の各チームを見て、カタールの強さはトップクラスだと思っていたので、まあ韓国戦は順当な結果かなと。これで決勝に日本が出場した場合の相手は、カタールとUAEに絞られた。それにしても予想が完璧に当たったのでちょっとビックリ(笑)。

と、その前に越えなければならないのが優勝候補筆頭であるイラン。昨日は、録画しておいた中国戦を見てちょっと対策を考えてみた。

まずイランの守備だが、4-1-4-1フォーメーションの典型的なゾーンディフェンス。前線と中盤、DFラインが全く連動しない日本とは大違いで、ボールの位置によって細かくラインを上げ下げし、中盤はボールホルダーに近い選手はアタックに行くが、その他はステイしてDFと連動して動く。そして中盤で人が動いて出来たスペースは、アンカーのエビラヒミが素早く埋めてスペースを潰す。DFラインには高さがあり、単純なクロスは全て跳ね返されるだろう。

攻撃は、これもゾーンディフェンス特有のサイドチェンジで大きくワイドに展開してから、スピードに乗った縦方向へのサイド攻撃が基本。ゴール前を固めた相手には、ロングボールをアズムンの頭に集め、フリックしたボールに向かって2列目の選手が猛然と飛び出し襲いかかる。そしてゾーンの位置によっても攻め方を変え、ミドルサード以下ではゾーンを守った手堅いサッカー、アタッキングサードではボールを追い越しダイレクトパスを繋いでスピーディーに攻める多様性もある。

つーか、本来ちゃんとゾーンディフェンスを取り入れているチームであれば、これぐらいのサッカーは体に染み付いているもので、高校サッカーを見てもJユースや強豪校は当たり前のようにやっているプレイである。日本も所属チームで組織的なサッカーをやってる選手は少なくないはずなんだけど、ロシアW杯と違って選手の知見が森保ジャパンでは全く活かされていない。

ただ、イランの得点力はヨーロッパの中堅国と比べると見劣りはする。中国戦を見ても、相手陣内で攻め立ててサイドを支配しても、ラストプレイはだいたいクロスの一点張りで単調。堂安のようにワンツーやドリブルで崩す選手はいない。日本は中央の高さはそれなりにあるので、しっかり迎撃準備をしていればむやみに慌てる必要は無い。

準々決勝で喫した中国の3失点は、全て長いボールに対するDFの判断や対応ミスを拾って決めたものであり、いわば完全な中国自身の自滅である。が、吉田と権田の面白守備だとあっという間に失点してしまいそうだし、身長が低い長友にアズムンを当てられると日本は苦しくなる。左SBに佐々木を入れるのも1つの案かもしれない。とにかく1つの守備のミスが命取りになるのは間違いない。

攻撃のポイントとしては、イランはゾーンディフェンスとしては完成度が高いが、ちょっと古いタイプのオーソドックスな形式なので、5レーン理論に基づいた攻略法が使える。ゾーンの外側を使ってワイドに基点を作り、ニアゾーンを使って崩す攻めや、ゾーンの間でパスを受けて、マークを引き付けてスペースを作るバルサ式の崩しが有効である。まあ、どちらもアジアカップでの日本には見られない攻撃なんだけどね・・・

とにかく、個の能力と組織力が高いレベルで融合している、これまでのアジアカップで対戦した国とは次元の違うチームである事は間違いない。今まで寝ぼけた試合しか見せられていない森保ジャパンが、これで尻に火がついて目覚めてくれればいいんだけどね。

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