と書くと和歌山カレー事件みたいで時節柄感じ悪いが、すいません。
一時いろいろなところで話題になったので知っている人も多いと思うが、全国高校サッカー選手権の岡山予選決勝の延長戦で、作陽の選手の放った見事なロングシュートがゴール奥のポストに当ってフィールドに戻ってきたせいで主審は得点を認めることなくゲームを続行、PK戦で水島工が制したという事件があった。その水島工の主力選手が自主退部したらしい。
この問題については当時いろいろな掲示板でも、再試合だとか勝ったほうが辞退すべきだとか、審判に厳罰をとかビデオ判定すべきなどと言う意見で埋まった。
私の意見としては、その当時カフェにも書いたが、審判をクビにしても新しい審判を配置する都合もあるし、再試合も会場や日程や費用の問題がある。それに、こういう誤審は全国無数にある予選試合のどこかで必ず起こっているはずで、たまたま決勝でTV放送があったために注目を集めたからという理由でこの試合だけ特別扱いするのは疑問だし、そもそもトーナメント一発方式の選手権が人生の一大事となるような、いびつなシステムになっているのが問題じゃないかと思っている。プロなら結果が全てだが、アマチュアしかも学校教育の一環の試合が、何故負けたらそこでおしまいなのか。
今回の退部騒動で、生徒は被害者、学校と高体連は悪の枢軸といった見方がすでにマスコミによってなされているが、相変わらずだなと思う。どういうルールがあるのかは詳しく知らないが、それがルールに基づいた決定であれば上の判断は正しい(もちろん今後の対策は必要だろうが)し、その場でゴールだと訴えずにゲームを続けた生徒にも全く罪が無いわけではない。
水島工の監督は「おまえはばかか。ルールで出場できるんだ。辞退したら困る人がいっぱい出てくる。そんな恥ずかしいことができるか」と激怒したらしいが、本当に必要だったのは罪の意識に悩まされた生徒たちの話をじっくり聞いてやり、前向きな心を持たせてやる事なのでは、と言う気がしてならない。
長い人生、これから理不尽や不公平な事はいくらでもあるわけで、それにどう立ち向かえばいいのかを教えるのが教育なのではないだろうか。たかが選手権、たかが高校の名誉のために、人生の伴侶となり得るサッカーを、その生徒が捨ててしまう事の無いように願うばかりである。
さて、皆さんはどうお考えでしょうか。