ナイジェリアは1軍に帯同できそうなメンバーがババンギダぐらいの2.5軍という完全に若手の育成として考えられたメンバーで、日本が最初に簡単に先制したときはこのナイジェリアはとんでもないチームだなと思ったが、後半途中まではまずまずしっかり守備をしていてニュージーランド戦よりは強化のためになった試合だと言える。
ただナイジェリアも1対1では身体能力と長い足で強さを見せるのだが、高原の2点に見られたように集中力を簡単に切らせてしまってどフリーにするところはやはりアフリカだなと思わせた。しかし、それでも決められないのが日本の決定力不足だったのだが、そこを高原がきっちり決めたのは非常に喜ばしい。
守備面でも、前線も含めたプレスの連動が効いていて、相手が個人技に走り始めた後半は特に安心して見る事が出来た。宮本と坪井のCBコンビも、序盤は危なっかしいパス回しでひやひやさせられたが、コンフェデの反省が生きたのか、終始セーフティなプレイを心がけていて好感が持てた。
だが良い事ばかりでは決して無い。特に、相手のマークが効いていた時間帯ではほとんどビルドアップらしいビルドアップが出来なかった事は気になる点だ。FWのポストプレイが相手の身体能力に負けて安定せず、またワンタッチパスを回そうという意識はあるものの周りの選手の動きにオートマティズムが無く、後ろからのロングボールや柳沢の飛び出し頼みになっていたのは強豪と当たったときに必ず深刻な問題を引き起こすだろう。
そして交代選手も1人だけと動かない事は相変わらずで、層を厚くする事を全く考えていない采配にも疑問を持たざるを得ない。しかも今の大久保のセレッソでの調子を考えれば久保あたりを試すべきだったのではないか。やはり、戦略面を考えると単純に勝ったから良かったと素直に喜べない試合だったのも確かである。海外組の召集が困難なこれからのセネガル戦や東アジア選手権で、どういった内容を見せられるのかに注目したい。
●採点