イラン戦で日本が負け、昼に行われた北朝鮮対イランでイランが勝ったために、ここで負けてしまうと日本がバーレーンの勝ち点を自力で上回る可能性が消えてしまう非常事態に陥ってしまうこの試合、日本はGK楢崎、DF中澤、宮本、田中、MF三都主、中田、福西、加地、FWが高原と鈴木といういつもの3-5-2で挑む。バーレーンは高さのある3人を並べた3-5-2で守りを重視した形。
選手の顔に緊張感が漂う日本は、序盤から非常に慎重な立ち上がり。バーレーンはあまりラインを下げず、FWと三都主にきっちりマークをつけて日本の攻めの拠点を自由にさせない。バーレーンは当然カウンターを狙うのだが、日本のチェックも戻りも早くてシュートまで持って行かせない。そして両チーム共にシュートの無い展開が15分過ぎまで続く。
20分にようやく中村の右足でのミドルシュートから日本が押し込み始め、何度もFKやCKのチャンスを作るのだがバーレーンの高さにことごとく弾かれて得点できず。そこからは日本が中澤の攻撃参加などでややペースを握るものの、FWに入ったくさびのボールからの各選手の動き出しが鈍く、ボールを奪う位置も低いためにFWがフリーでボールを持っても孤立してしまい、日本は切れ味のある速攻と言うものが全く出来ない。前半は、結局そのままじりじりとした展開のままに前半は終了する。
後半になり、10分ごろから少しバーレーンの動きが落ち始め、三都主が高い位置をキープしては突破から良いチャンスを作り始める。しかし、中に飛び込んでくるのはFWばかりで中盤からの前線への攻撃参加が無く、少ないシュートチャンスも高原が2本外してしまうなど、バーレーンGKの時間稼ぎもあってだんだん嫌なムードが高まってくる。たまらず日本は23分に鈴木に代えて玉田を投入。
しかし後半の27分、とうとう日本の伝家の宝刀、ジーコの悪運が炸裂する。右からのFKを中澤が折り返した混戦から、何とバーレーンのシャルミーンがゴールラインに出そうとしたボールがバーレーンゴールに転がり込んで、日本は本当にラッキーな先制点を手にする。
そこからは、バーレーンもマルズークの攻撃参加を中心に攻めに出てくるのだが、日本は珍しくDFがオフサイドラインを引き、中盤の守備意識も高くてバーレーンの速攻を防ぎ切る。攻撃でも、相手に出来たスペースを使う場面が見られるようになるが、バーレーンの体を張った最終ラインの守りに前に追加点を奪えない。
後半も35分を過ぎると中村を筆頭に疲弊した中盤にスペースが空いてしまい、日本は仕方なく完全に引いて守りきる体制に。日本は何とか個人のキープで時間を使うものの、バーレーンの最後の猛攻から2本ほど枠にシュートを撃ちこまれてしまうが、それも楢崎が落ち着いて防いで事なきを得、日本は最低限のノルマである勝ち点3を手にする事が出来た。
しかし、それも得失点差はバーレーンにたいしてわずか2の差をつけただけであり、アウェイでの試合を控えている事を考えたらアドバンテージは無きに等しい状況である。内容面でも本当におそまつそのもの。コンビネーションが売りのジーコジャパンのはずなのに選手にまるで連動性が無く、頼みのセットプレイも決められず、FWにも全く怖さが無い今のチーム状態ではバーレーンはおろかアウェイでの北朝鮮相手にも苦戦は必至である。とにかくチーム全体をあとネジを一巻きも二巻きもしなければ、ドイツへの道は危ういまま、ひたすらジーコの悪運にすがる展開は避けられそうに無いだろう。
●採点