オマーンとの第1戦をホームで1点差と言う辛勝だけに、アウェイとは言え大量点が必要なシンガポール相手の第2戦。日本のスタメンはGK楢崎、DF三都主、宮本、坪井、加地、MF中村、小野、稲本、中田、FWが高原、柳沢と欧州組勢ぞろい。
当然試合は開始から日本が圧倒的に支配する。加地、三都主の両SBがかなり高い位置に陣取り、特に加地の積極的な上がりと稲本のロングパス、小野の積極的な攻撃参加で日本はどんどん崩すものの、フィニッシュの部分でピリッとせず、決定的なフリーの場面があっても簡単にシュートを外してしまう。
その攻撃の悪いリズムが移ったのか、10分ごろに浮き球をDFがお見合いして楢崎が飛び出したところをボールをさらわれそうになるなど集中力を欠いたプレイが目立ち、こちらの肝を冷やさせる。
しかし25分ごろからはシンガポール守備陣がプレスにかかったところをワンタッチパスや個人技で翻弄する場面を作り始め、GKに詰めたところを柳沢が拾って相手ゴールががら空きになる場面を作るなど、日本は再びシュートを連発するものの相手の最後の集中力も高くて得点出来ない。
その嫌な流れを断ち切ったのは33分、日本はボールを回して回して最後はセンターから高原がシュート、これが相手DFに当たってコースが変わり、日本はラッキーな得点をゲットする。が、その勢いも続かず、日本はボランチが2人とも上がってしまってバイタルエリアががら空きになってしまい、前線でも呼吸が合わずにミスパスからシュートまで持っていかれるものの何とか楢崎が守って前半終了。
後半になるとシンガポールはナイジェリアからの帰化選手のアグー・カスミルを投入、攻撃の起点として機能し始める。逆に日本は海外組の足がぱたりと止まり、ひたすら足元へのパスを出すだけの攻撃に終始してしまう。そして案の定17分にロングボールからのこぼれ球を拾ったインドラに右サイドからニアを抜かれたシュートを決められて同点に。
20分過ぎからは、日本はようやく今日全く機能していなかった中村と柳沢に代えて藤田と鈴木を投入するが、シンガポールはゴール前をがっちり固めてなかなかシュートを打たせない。日本はさらに玉田を投入するもののペースは変わらず、だめだめ感たっぷりのままに試合時間は過ぎていく。
だが、まだ神様は日本を見放していなかった。37分にCKから鈴木がGKと競ったところを飛び込んできた藤田がダイレクトで決めて日本は何とかリード。最後はシンガポールに攻められまくるものの、何とかアップアップで日本はかろうじて逃げ切る事が出来た。
苦戦の原因ははっきりしている。コンディションの悪い海外組をことごとく先発に起用したからである。特に試合にろくに出ていない中村と柳沢は酷いもので、予想通り後半にペースががた落ちする原因になってしまった。追いつかれてから投入した鈴木と藤田がからんで得点した2点目が象徴的な皮肉である。中田が試合後にこのチームに関する問題点をぶちまけていたが、ジーコが監督である限り根本的な問題を解決できないのは明らかである。事態は一刻の猶予も許さない。一分でも早く更迭すべきである。ついでにそれを選んだお方も。
●採点